◎…新年度になり、ある特約店経営者が新入社員を前に「マニュアル重視ということではなくコミュニケーションを重視した取り組みを展開してほしい」と語った。

マニュアルに偏り過ぎるというのがこれまで業界姿勢だったが「これが結果的に押し売り商法や数量志向につながる」とも。人手不足の中で貴重な戦力である新入社員にかける期待はこれまで以上に高まりつつある。

　◎…マニュアル重視 からの脱却は元売の新入社員にも言えることだとも強調する同経営者。元売は販促マニュアルでコミュニケーション重視を掲げて久しい。しかし系列特約店とのコミュニケーションについては希薄化の一途をたどっているというのが昨今の実情とも語る。

　◎…「元売からすれば我々特約店はお客様。仕切り改定に当たり電話１本、ファックス１枚でコミュニケーションがとれている、というのは果たして本当だろうか。元売の新入社員こそコミュニケーションづくりを重視した取り組みが欠かせない」とも強調する。

　◎…先にまとまった資源エネルギー庁の報告書には、元売と特約店とのコミュニケーションを図るべき、との趣旨が盛り込まれている。しかし系列が業転玉を購入したらマーク剥奪という優越的地位については何も触れられておらず、中小零細特約店の立場を反映したものになっていないと語る特約店経営者もいる。「元売再編が進み、元売と対峙しなければならない場面を迎えた今、こうした姿勢を鮮明にする必要がある」と話す特約店経営者。新年度に入り、元売新入社員にはマニュアル重視ではなく、販売最前線に立つ特約店や販売店の実情を把握したコミュニケーションづくりが重要だと注文をつける業界関係者がいつになく多い。