「師走商戦」も本番に突入
再投資可能な商い不可避
2017.12.15
 ◎…今年も早いもので残り1カ月を切った。給油所店頭はクリスマス、師走商戦モードに彩られている。今年4月にJXTGがスタート、いわば業界にとって再編・変革元年となった今年もあとわずか。 「変革元年の元売決算は増収増益の好業績だが、系列業者は今ひとつパッとしない」とつぶやく特約店社長も少なくない。


 ◎…元売仕切り価格上昇に伴うコスト転嫁に追われながら、店頭価格に満額転嫁できない状況に苛立ちの表情を見せる特約店関係者もいる。「好調な元売決算と伝えられるものの、系列業者の決算、懐事情はかんばしくない」との声もある。上昇する仕切りを店頭価格に満額転嫁できない中で、来店客から「随分と値段が上がったね。儲けも上がっているんだろう」と言われ、仕切り上昇分を満足に転嫁できていない状況を説明するといった場面も多いようだ。

 ◎…元売再編によってガソリン需給は引き締まり、業転市況も高値をつけて系列回帰が加速している昨今の業界事情。

 ◎…仕切り上昇に伴うコスト転嫁でガソリン市況は上げ局面にある、と言われながらも局地的な廉売が解消できていないところもある。ガソリンマージンは10円を超えていると言われながら、10円に満たないというケースもあるという。系列特約店のマージン事情はそれぞれ異なるが、10円マージンは採算販売の分岐点、給油所経営の生命線と言われている。

 ◎…「円滑な給油所経営を続けていくためには15円マージンでも足りない」と語る特約店社長も多い。その背景のひとつに常態化する人手不足がある。人手確保、設備への再投資が欠かせず、そのためにはマージンアップのための商いが求められている。「師走商戦ではコスト転嫁に向け、マージン15円確保の姿勢で臨まなければならない」といった緊張感が特約店関係者の表情にも現れている。残りわずかとなった2017年、再投資可能な商い、マージンアップが大きなキーワードになっている。


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付掲載予定

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