在庫満タン 悩む灯油商戦
浮上する「トリガー条項」
2018.11.15
 ◎…「今年は秋らしい日がないままに冬が駆け足で訪れ、店頭は例年より早い冬支度に追われている」との声が全国のSS関係者から聞かれている。原油コスト上昇による仕切り高値を背景にガソリンはもとより灯油など暖房用燃料油の高値基調が続く中で「暖房用燃料の雄とも言える灯油需要にどういった影響を与えるのか」と不安を抱く関係者も少なくない。加えて原油コストの上昇を背景に、仕切り高値によって「灯油の仕入れ、在庫満タンのタイミングの先読みも難しい」といった悩みを抱える。

 ◎…今年の冬商戦は難問山積といったところだが、北海道をはじめ東北地方などの寒冷地では暖房用燃料としての灯油の優位性は変わらないものの、消費者の節約志向が例年になく高まることが予想されている。ある特約店関係者は「小回りの利く配送体制で顧客確保という姿勢をこれまでになく鮮明にしながら灯油商戦に臨む」としながらも「最近の深刻な人手不足で配送スタッフの確保に苦戦する同業者もおり、今冬の灯油商戦は悩みが尽きない」と話す。

 ◎…仕切り高値に伴ってガソリンの店頭価格も高値基調だ。全国的にガソリンの平均価格が160円台で推移している中で、ガソリン小売価格にかかわり「トリガー条項」というワードが注目されている。

 ◎…トリガー条項は民主党政権当時の2010年、ガソリンの平均価格が3カ月連続で160円を超えた場合、ガソリン税の暫定税率分25円10銭の課税を停止するというもの。しかし、このトリガー条項は2011年の東日本大震災を機に、臨時特例措置で適用が停止されている。原油コストの上昇が続き、ガソリン高値基調に歯止めがかからないという状況のまま、来年10月からの消費増税を迎えることになれば、店頭価格は160円以上になることが予想される。こうした状況を想定して「政府がトリガー条項停止を廃止するのかどうか、今後の成り行きから目が離せない」との声も聞かれている。


北海道のガソリン価格予想
4月22日(月)から4月28日(日)まで
変わらず
仕切りにより、値上げも

04月25日付ヘッドライン

■膨らむ期待GW商戦 一気呵成の「挽回」期す
■「失敗は有効解導く手段」 札危協保安研修会で三田薫氏講演
■石販業者への配慮明記 官公需「基本方針」が閣議決定
■保有率77.6%、小幅減少 自工会が乗用車市場動向調査
■好調油販さらなる拡販に照準 フルの強み生かし道エネ環状通SS