ガソリン、軽油販売で明暗
収益重視の姿勢欠かせず
2019.3.15
 ◎…6日は二十四節気の「啓蟄」 。冬籠りの虫が這い出すという春の季語だが、SSでも春商戦に向けての動きが活発になっている。春商戦を前にSS業界は冬の時代が続いている、と話す特約店関係者。信用調査会社の調べによると、昨年1年間のSS倒産件数は35件で前年比7件の増加となった。ガソリン需要の落ち込み、販売不振で先行き不透明感が強まり、休業や廃業に追い込まれたSSも150件にのぼっているという。元売再編によって需給タイト感が強まり、元売、特約店ともに収益環境の改善が見られたものの、販売最前線のSSの倒産、休・廃業の件数が前年より増えていることは、元売再編の中で冬の時代がまだ続いていることを物語っている、ということのようだ。

 ◎…一方、建設業や運輸業界などでは深刻な人手不足から脱却できないという。 最近は人手不足倒産も増加していると言われ、SS業界も他人事ではない。そうしたことから「人手不足倒産を回避するためにも収益重視で春商戦に臨まなければならないのは言うまでもない」と語る特約店関係者は多い。

 ◎…経産省や石油連盟の統計によると、ガソリンと軽油の需要に格差が生じている。昨年1年間のガソリン販売は6年連続で前年を下回った。一方で物流燃料の軽油は2年連続で前年を上回る結果となっている。ハイブリットカーの普及などでガソリン需要が減少、対して軽油はインターネット通販の拡大でトラックなどの輸送量増加により販売が上向いている。首都圏では来年の東京オリンピックに向けた都市開発、産業資材の輸送を背景にガソリンよりも軽油の販売増が続くものと見込まれている。

 ◎…ガソリンと軽油の需要に格差が見られる中で「何だかんだ言ってもSSはガソリン主軸の商い。エコカーの普及で販売が減少していると言われながらも、当面、劇的な減少はない。そうしたことからも春商戦には収益重視の姿勢で臨むことが欠かせない」と強調する関係者が多い。


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付ヘッドライン

■広がる困惑、失望感 対量販構図変わらず 札幌市場
■昨年度、減少に転じ17件 危険物取扱者の違反行為
■3月決算組「まずまず」 収益環境の良化が支える
■消費、供給ともに減少 2022年度エネルギー需給実績
■42%が「月に1回以上」 GfKJapanが洗車で調査