高層建築物から考える
視点の上下に貴賤なし
2019.3.20
 突然だが、自宅や勤務先を俯瞰し見たことがあるだろうか。自身の話で恐縮だが、ニュース番組でその機会を得た。

 元建設会社社長の自宅敷地に建てられたマンションの最上階(30階)からの眺望を紹介するVTRに映り込んでいたもの。弊社の庭(自称)の北大植物園の北側で「何階までできたのか」と積み上がる様子を数えつつ眺めていただけに、そこに居住できる可能性は皆無だが、少しだけ身近に感じたことも事実だ。

 「庭」の南側では、それまで見えていた円筒形のホテルを隠すほどの鉄塔が基本の工事を終えた。再来年から運用を開始するNHKの新札幌放送会館に建てたもので、ここから道内各地に向け電波を発信する。

 公表データによるとNHKの鉄塔は105m、マンションは99・99mと缶チューハイのブランド名のような数値だが、どちらも「航空障害灯」と呼ばれる赤いランプ装着が義務付けられる高さに達している。どちらの最上部にも上がる機会はないが、そこからの眺望はまさに別世界で、見晴らしが良いだけに東西南北それぞれからの景色も変わると想像する。

 決して貧乏人のひがみではないが、下から見上げる景色の重要性も忘れてはならない。こうした高層からの眺望は、それまでの下界の景色を遮って成立していると同時に、下から見上げる景色でなければ見えないものも存在するためである。

 この話、建物に限らず、あらゆる「上下」の関係に置き換えられることは記すまでもない。  (蔵)


北海道のガソリン価格予想
4月22日(月)から4月28日(日)まで
変わらず
仕切りにより、値上げも

04月25日付掲載予定

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