「カーリース」競争激化か
SSを自動車走行産業に
2020.9.25
 ◎…来月は年度下期のスタート月。年度末となる来年3月末までの半年間、業界環境はどういった展開となるのか。ガソリン需要は回復基調にあると言われるものの、新型コロナウイルス感染症の拡大で生活様式が変わる中、以前のような需要規模にまで復活するのかどうか。先行きが全く見えない中で、ガソリンをはじめとした燃料油の販売だけに頼っていくのではなく、自動車関連での収益体制の構築、実践に着手していかなければならない、というのが年度下期の課題になっているようだ。


 ◎…ENEOSは今年9月から、系列SSを販売拠点としたカーリース事業「ENEOSカーリース」の実証を関東地区の6SSで始めており、来年度からの全国展開を目指している。カーリースに着目して他社に先駆け導入したのはコスモ石油マーケティングだが、それに続いて出光昭和シェルも着手しており、カーリースが元売各社のSSにおける新事業の柱となりつつある。本年度下期は、各社のカーリース競争が激化していくことも予想されるところ。また、カーリースだけでなく、自動車関連収益を拡大するために「SS業界は自動車が走るための自動車走行産業としての色彩を強めなければならない」との声も聞かれている。

 ◎…今月上旬に相次いで襲来した台風で改めて注目されたのは「満タン」というキーワード。テレビのニュースキャスターが視聴者に、停電に備えスマホや携帯の充電満タン、断水対策としての風呂水の満タン、そして緊急時に備えたガソリンの満タンという3つの「満タン」を呼びかけた。昨年、台風の襲来で千葉県内において発生した大規模停電を例えに対策の必要性を訴えたものだが、2年が経過した北海道胆振東部地震の発生により電力供給が途絶したブラックアウトもまだまだ記憶に新しい。全石連、石油連盟では9月から「満タン&灯油プラス1缶運動」を展開しているが、これも災害、ブラックアウト対策のひとつとして浸透してきているようだ。


北海道のガソリン価格予想
4月22日(月)から4月28日(日)まで
変わらず
仕切りにより、値上げも

04月25日付ヘッドライン

■膨らむ期待GW商戦 一気呵成の「挽回」期す
■「失敗は有効解導く手段」 札危協保安研修会で三田薫氏講演
■石販業者への配慮明記 官公需「基本方針」が閣議決定
■保有率77.6%、小幅減少 自工会が乗用車市場動向調査
■好調油販さらなる拡販に照準 フルの強み生かし道エネ環状通SS