「量」で苦戦 今冬灯油
「質」の確保にも暗い影
2021.12.20
 雪、寒さともにない「暖冬」と価格高騰に伴う「節約」とが重なり、伸びない需要にイライラがつのる今冬灯油商戦。やっと今月も半ばになって本格的な寒気が入り込み、需要回復への期待は膨らんだが、今度は原油価格の下落に伴う仕切り下げで利幅の崩れや高値在庫の吐き出しへの懸念が広がるなど、待ち望む順風はまだ吹いてこないようだ。

 札幌市内のある特約店幹部は「10月は中旬の冷え込みもあってそこそこの出で推移したが、11月に入ってからは例年の1割から1割5分減」だと話し、これとは別の特約店幹部も「プライスリーダーであるコープさっぽろが値上げに動き、仕切り価格の上昇で利幅が1桁になった9、10月の挽回をと思ったが、いかんせん需要が伸びていかない」と言外に苦渋をにじませる。

 札幌では11月19日に観測史上3番目の遅さとなる初雪、26日には積雪も記録したが、例年に比べれば雪も寒さもない暖冬もよう。道北では大雪も伝えられたが、ロードヒーティング需要の高まりなど「白くならなければ出ない」と言われるとおり需要は伸びを欠いたままで、これに価格の高騰に伴う節約も重り、イライラだけがつのる商戦序盤となっていた。

 そうした中、今月第3週になってやっと本格的な寒気が入り込み、需要回復への期待は高まったが、今度は原油価格の下落に伴う仕切り下げが懸案となってきた。今、利幅は20円を超すが、これが「ぎりぎり」という中で、必要以上の値下げとなれば一大事。また、高値で仕入れた在庫の吐き出しも利幅圧縮要因としてのしかかる。

 なかなか順風が吹かない灯油商戦。もうしばらくの辛抱が必要か。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

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