各SSでは油外拡販に力を入れる
今年も残すところ1カ月を切り、石油業界も師走商戦に突入した。真冬並みの寒気が流入し降雪も伴った10月下旬以降、命綱とされる灯油の動きが活発となり、また、それぞれに注力する油外もタイヤ交換後はまずまず。商戦への期待は大きく膨らむが、今年も不安定な自燃油の市況が頭痛の種、利潤の確保に向けた適正市況の構築が焦点となりそうだ。
定期配送も3巡目に入りつつある灯油は、入りの10月初、中旬こそ気温が高く伸び悩んだが、シベリア高気圧の張り出しで真冬並みの寒気が流入し降雪も伴った下旬以降は動きが活発となり、販売量はここまで前年比ながら10%強の伸びで推移。
また、物価高で消費意欲が冷え込む中でも、各販売業者の油外拡販に向けた努力が実を結び、スタッドレスタイヤやバッテリーなどの冬物商品に加え、タイヤ交換以後は洗車やコーティングなど、それぞれに注力する分野いずれも「まずまず」の業績を残す。さらにレンタカーは専業大手を凌ぐ勢いを維持しており、師走商戦への期待は嫌が応にも大きく膨らむ状況だ。
ただ、そうした期待を削ぐような課題がないわけではない。深刻の度を増す人手不足もさることながら、かつての安値競争を彷彿とさせる不安定な市況が販売業社の頭痛の種となっている。
今、ガソリン税や軽油引取税の旧暫定税率廃止に向けた国の補助金増額で自燃油価格には下押し圧力がかかるが、それを上回る値下げが横行。人件費や光熱費などの値上がりに伴い販売コストが上振れする中で、それをカバーするための利潤を確保できない状況に追い込まれることも多い。
適正な利潤と言われるその「適正」も、これまでより増幅されなければならない今、そのための市況の安定は不可欠。本筋である油販が油外などの儲けをつぶすようであれば、まさに本末転倒となる。
北海道のガソリン価格予想
12月8日(月)から12月14日(日)まで
価格上昇
11日補助金増額で値下げ
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12月15日付掲載予定
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