旺盛な増販への意欲
夏商戦、飛躍の序章に
2025.6.30
日々の最高気温が道内各地で25度を大きく超すようになり、石油業界にとっても書き入れ時となる「夏商戦」がいよいよ本番を迎える。物価高で消費者の財布のひもは依然として堅いままだが、何より旺盛と伝えられるSSスタッフらの増販に向けた意欲は、商戦を「飛躍の序章」とするのに十分。課題は適正な利潤の確保を忘れた価格競争となるのか。

 コロナ禍以降、年始や春、ゴールデンウィークといった書き入れ時の大きな商戦は、いずれも期待だけが独り歩きする中で「消化不良」のままに終了。SSからは「日頃の土、日曜日に少し毛が生えた程度」とのボヤキすら出る始末で、残ったのは徒労感だけという状況が続いてきた。

 夏商戦も状況はそれほど変わらず、物価高で消費者の財布のひもは堅いまま、売る側も人手不足で隅々にまで手が回らないというジレンマを抱えたままのスタートとなるが、国の燃料油価格定額引下げ措置に伴う燃料油価格の値下がり、そして何よりも旺盛と伝えられるSSスタッフらの増販に向けた意欲は、期待を確かな数字へと置き換えて「飛躍への序章」とするのに十分。そうした意味で「弱いながらも追い風が吹いている」とも言えそうだ。

 道内SSの多くはSNSやアプリなどを駆使した集客策を展開し、まずは価格の高騰によって苦戦を強いられてきた油販の回復を図る考え。ハイブリッド車など低燃費車の普及に伴い多くは望めない中で「奪い合い」との指摘もあるが、様々な方途を駆使していく。

 また、油外でも洗車やコーティング、車検、車販、タイヤなど前面に押し出す商材はそれぞれに異なっても、イベントやキャンペーンの展開も含めた種々積極策で増販を目指していく。

 そうした中で課題となるのは、適正な利潤の確保を忘れた安値競争。油販拡大への方途とする場合もあるようだが、自社のみならず業界の健全な発展に向けても自重が求められる。

 今年こそ灯油頼みから脱却し、前述の「飛躍への序章」とすべく奮闘したい。


北海道のガソリン価格予想
7月7日(月)から7月13日(日)まで
変わらず
仕切によっては下げも

07月15日付掲載予定

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