信頼の回復に第一歩
12年ぶり 札幌で盛大に
2025.6.25

多くの来賓を迎える中で事業計画などを決めた全石商・協通常総会
 全国石油商業組合連合会(森洋会長)、全国石油業共済協同組合連合会(同)は12日、札幌市内のホテルで2025年度通常総会を開催。石油連盟の木藤俊一会長、北海道の鈴木直道知事をはじめ元売各社、関係機関のトップら来賓多数を迎える中で本年度の事業計画などを決めた。札幌開催はコロナ禍による順延もあって12年ぶり。あいさつした森会長は北石連の周到な準備に感謝しつつ、独禁法違反の疑いで公取委の調査が相次いでいることに触れ「大きな反省のもとに消費者の信頼を取り戻さなければならない」と訴えた。



 本道での通常総会開催は2021年に予定されていたが、コロナ禍で順延となり、2013年以来12年ぶりとなる。

 通常総会では物故者への黙とうのあと、河辺善一副会長・北海道支部長が「遠い北海道に多くの方々に参集いただき感謝する」などと歓迎の辞を述べ、引き続き森会長があいさつ。来賓を含めた大勢の参集と北石連による周到な準備で「素晴らしい会になった」ことを喜び、その上で諸点に言及した。

 野党7党が今国会に提出した旧暫定税率の廃止法案について「廃止には全く異論がない」としながらも、7月1日からでは消費者の買い控えが起き、在庫の還付手続きも間に合わず「あまりにも拙速」だとし、秋の税制改正の中で総合的に判断され「早くても来年4月以降、場合によっては10月以降になるのでは」との私見も示した。

 また、令和6年度補正予算でのSSネットワーク維持・強化支援事業に予算111億円を大きく上回る170億円の申請があったことを「生き残りへの大きな意欲の表れだと私は理解した」とし、一層の補助金獲得に意欲。独禁法違反の疑いで公取委の調査が相次いでいることについても「大きな反省のもとに消費者の信頼を取り戻さなければならない」などと訴え協力を求めた。

 このあと武藤容治経済産業大臣の「賃上げ原資の確保にも資する経営の多角化や災害対応能力の強化に向けた支援を継続すべく必要な予算を確保し、皆さんの取り組みを応援していく」などとするビデオメッセージを披露。さらに来賓を代表して北海道の鈴木直道知事、石油連盟の木藤俊一会長が祝辞を述べた。

 中で鈴木知事は、夕張市長時代に発生した胆振東部地震、ブラックアウトを振り返って「燃料の供給に向けた皆さん方の大変な努力を今でも鮮明に覚えている」としながら「カーボンニュートラルとSSのネットワーク強化を両立させる取り組みを前に進めていく」との考えを表明。

 中東情勢やトランプ米政権のエネルギーに対する影響にも言を進めた木藤会長は「化石燃料からカーボンニュートラル燃料への一足飛びの変化はない」と強調し、その上で「我々は石油の安定供給という使命をしっかりと果たしつつ、新たなエネルギーにおいても我々が中心的プレーヤーとなるよう、お集まりの皆さんと一緒に歩みを進めていく所存」などとし、精販のより一層の連携強化を呼び掛けた。

 総会ではこのあと来賓や新理事長の紹介などに続いて、2025年度事業計画案、収支予算案など諸議案を審議し、いずれも提案どおり承認、決定。また、次期開催地を近畿支部管内とし、これを受けてあいさつした近畿支部の西尾恒太支部長が「万博後の変わった大阪、きれいになった大阪を見てほしい」と大阪開催を示唆した。

 このほか加藤庸之副会長・専務理事が、5月の理事会で設置を決めたコンプライアンス委員会のメンバーを紹介するとともに、今月24日に第1回委員会を開催することを明らかにした。


あいさつする森会長

歓迎の辞を述べる河辺支部長

祝辞を贈る北海道の鈴木知事

石油連盟の木藤会長


北海道のガソリン価格予想
7月7日(月)から7月13日(日)まで
変わらず
仕切によっては下げも

07月15日付掲載予定

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