雇用を守る方策考えたい
それこそがトップの責務
2025.12.10
 1960年代の日本は高度経済成長期。働くことが「美徳」とされ、「モーレツ社員」といった言葉で象徴されていた。また、昭和から平成に変わった1989年の新語・流行語大賞に「24時間戦えますか」がランクインした。まさに昭和の労働者には、有給休暇なんてあってないようなものだった。自民党初の女性総裁となり、「私自身がワーク・ライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働きます」と宣言した高市早苗首相にも、昭和の匂いがする。

 2019年に年5日の年次有給休暇を労働者に取得させることを企業に義務付けてからは、このようなことは通用しないと思っていたが、年次有給休暇を取得することに罪悪感を持つ人の割合が58%にも上っているという調査結果があった。休むことに罪悪感がある人の割合が20代で44%もあり、その理由は同僚に迷惑がかかるからといったもので、今の若者にそうした感覚があることに正直驚かされた。

 トヨタ自動車の豊田章夫会長は、社長時代や日本自動車工業会の会長時代に「日本の自動車業界で550万人の人達が働いている。この人達の雇用を維持していかなければ」と常々訴えていた。完全電動化や再エネ普及の遅れが出てきた時の訴えで、550万人の中にはSS業界の人員も含まれている。

 先が見えない時代にあって、今は業界全体で雇用を守る方策を考える時だ。それが企業のトップに課せられた責務でもあるのだろう。 (祐)


北海道のガソリン価格予想
12月8日(月)から12月14日(日)まで
価格上昇
11日補助金増額で値下げ

12月15日付掲載予定

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