心の中に清々しさ残す
駆け引きのない心配り
2017.8.5
 あるSSでの取材の際に「汚い手で大変申し訳ありません」と恐縮しながら名刺を渡してくれた所長さんがいた。忙しい中、作業の手を止めてわざわざ対応してくれたその手は一生懸命働いている証であり、決して汚いものではない。この出来事をきっかけに、日々いろいろな感動に遭遇していることを思い出した。

 地方取材で道に迷った時、尋ねに入ったコンビニ。店員さんが地図を広げ調べてくれただけでなく、レジ近くにいたお客さんも一緒になり、近くて分かりやすい道を探してくれた。おかげで時間どおりに目的地に到着できた。

 見舞いで初めて行ったある病院。病室を探しながら廊下をウロウロしていると看護師さんから「どちらのお部屋をお探しですか」と声を掛けられ、目的の病室まで案内してくれた。

 混雑した市電。乳児を抱きながら幼児の手をひき、ベビーカーを携えた母親が乗っていた。横から「お持ちします」と手を差し伸べ、ベビーカーを持った男性。母親と同じ停留所で降り、こともなげにベビーカーを戻してそのまま立ち去っていった。

 ある冬の日の消防署前。お婆さんの手を引いて、つるつるに凍った歩道を一歩ずつお婆さんの歩調に合わせて歩く消防隊員。寒さの中で、心温まる光景から目が離せなかった。

 これらとっさに出た心配りには何の駆け引きもない。誰かから優しさを受けた時、また、自分が誰かに返せた時、互いの心には涼風のような清々しさが残るものなのだろう。     (さ)


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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