コロナ禍が拡大する中で対面接客は敬遠されるのか募集をかけても応募はゼロ─働き方改革の定着で以前より人手が必要とされている今、その「不足」に悩むＳＳが増えてきた。解決策が見つけられないまま、影響は現有スタッフの資質向上にも及びつつある。

　コロナ禍の拡大に伴う往来・外出の自粛などから油販が苦戦を強いられる中、油外のウエートはますます増大するが、あるＳＳ所長は「人手が足りず、思い切った手立てが講じられない。アルバイトでいい、あと１人いれば」と話す。また、別のＳＳでは「フルで時に２人で回すことも。そんな時にはタイヤの空気圧チェックにさえ応じることができない」とも。ともにハローワークや情報誌などを通し募集をかけるが、対面接客が敬遠されるのか、脱炭素で将来性に不安があるのか応募は全くないという。

　人手不足を打開していくためには、ミスマッチの解消や潜在労働力の掘り起こしなどが有効とされるが、どれも特効薬的効果はなく、働き方改革の定着で以前より人手が必要とされている今、その「不足」に悩むＳＳが再び増えてきた。

　より深刻だった平成３０年頃とは少し様相を異にするようだが、現有スタッフの負担を増やすばかりなのは同じ。そうしたことで現有スタッフの資質向上にも暗い影を落としているという指摘がある。忙しさが、仕事を覚えるための近道である先輩と後輩との交流を阻害し、オンラインを含めた研修会への参加機会のみならず資格取得のための勉強時間すら削り取ってしまうからのようだ。

　また、顧客へのサービス低下にもつながりかねず、早急な手立てが求められる。業界挙げての対応が今また必要になっているとも言えそう。