危険物施設事故 過去最多!
昨年の発生、全国で646件
2022.6.10
 危険物施設が年々減少していく中で危険物施設事故は高止まりし、関係者の危機感は極めて強いが、昨年、全国で発生した危険物施設事故は火災、流出合わせて前年を84件上回る646件だったことが消防庁のまとめで明らかになった。調査が始まった平成元年以降で最も多く、無許可施設など危険物施設以外で発生した事故も含めれば667件となる。

 消防庁がこのほど発表した「令和3年中の危険物に係る事故の概要」によると、昨年1月から12月までに全国で発生した危険物施設事故は、火災事故と流出事故とを合わせて前年を84件上回る646件。調査が始まった平成元年以降で最も多くなり、危険物施設数が39万2619カ所へと減少する中で、危険物施設1万カ所当たりの事故発生件数も16・56と一気に跳ね上がった。
 このほかにも無許可施設で14件、危険物運搬中に7件の事故が発生しており、これらを含めると危険物に係る事故は、総数で前年を91件上回る667件となる。

■ 火災事故

 危険物施設で発生した火災事故は、2年ぶりに前年を37件上回って224件。これまで最も多かった平成18年の223件を1件上回って過去最多となった。
 これら事故による死者はなかったものの、負傷者は36人となり、損害額は前年の6倍強となる70億4692万円。

 施設別では、一般取扱所での発生が134件で最も多く、これに製造所が44件、給油取扱所が35件、移動タンク貯蔵所が6件で続く。出火原因物質は半数近い101件が第4類の危険物で、ガソリンなどの第1石油類が56件、重油などの第3石油類が25件、潤滑油などの第4石油類が8件、軽油や灯油などの第2石油類・アルコール類が6件などとなっている。

 また、発生原因は半数を超す120件が維持管理や操作確認が不十分などの人的要因、61件が腐食疲労等劣化、施工不良などの物的要因、43件が不明や調査中を含むその他の要因で、着火原因は例年と同じく静電気が50件で最も多かった。

 なお、このほかにも無許可施設で7件、危険物運搬中に1件の事故が発生しており、これらも含めると火災事故は総数で前年を42件上回る232件となる。

■ 流出事故

 危険物施設で発生した流出事故は、3年ぶりに前年を47件上回って422件。これまで最も多かった平成19年の434件は下回ったが、それに次ぐ件数となった。

 これら事故による死者は1人、負傷者は28人となり、損害額は前年の2倍強となる4億7673万円。

 施設別では、一般取扱所での発生が99件で最も多く、これに給油取扱所が75件、屋外タンク貯蔵所が72件、移動タンク貯蔵所が66件で続く。流出した危険物は98%強の415件が第4類の危険物で、第2石油類が155件、第1石油類が110件、第3石油類が105件などとなっている。

 また、発生原因は、火災事故と逆に物的要因232件が人的要因149件を大きく上回り、物的要因では腐食疲労等劣化が151件、人的要因では操作確認不十分が69件で最多。その他の要因41件には交通事故13件、風水害等12件、いたずら1件が含まれている。

 なお、このほかにも無許可施設で7件、危険物運搬中に6件の事故が発生しており、これらも含めると流出事故は総数で前年を49件上回る435件となる。
    


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