灯油需要は残る
将来はSS経営の柱に
2022.7.20

平野教授による特別講演などが行われたセミナー
 灯油販売事業者などに有益な情報を提供し石油に関する理解促進を図ろうと石油連盟石油システム推進室は11日、札幌市内のホテルで「札幌地区石油セミナー」を開催。特別講演した成城大学の平野創教授は、カーボンニュートラル社会になっても液体燃料の需要はなくならず、SSの経営では灯油の役割が高まり、灯油需要のある地域の方が生き残りやすいことを参加した約60人に訴えた。

 セミナーは北海道石油システム推進協議会、日本ガス石油機器工業会との共催。冒頭、システム推進室の谷口純室長が国土強靭化計画で満タン運動に当たる個人備蓄が明記されたことを示し「自信を持って啓発活動を」と呼び掛け、後援した札幌石協の河辺善一理事長が「石油は大切なインフラで、地域生活を守っていく義務がある」とあいさつしたのに続き、谷口室長が安定供給に向けた取り組み、日本ガス石油機器工業会の野沢寛委員が石油燃焼機器の市場動向などを説明した。

 そのあと成城大学経済学部の平野創教授が「将来のエネルギー像と石油流通」をテーマに特別講演。テーマには、今のカーボンニュートラル(CN)を心配して新しいビジネスにチャレンジしてほしいという「心配」とCN化された社会になっても液体燃料の需要はなくならないという「安心」の2つのメッセージが含まれていることを説明し講演を始めた。

 燃料の将来需要として乗用車用燃料の大幅な減少からは逃れられないと予測する一方で、家計消費の観点から北海道などでは今後も灯油の消費が根強く続き、SS経営では灯油の役割が一層増して「灯油需要のある地域の方が生き残りやすい」と断言。

 不確定・不明瞭な将来に向けて、脱炭素社会の実現の前に確かな低炭素社会を構築する必要があり、そのためには化石燃料の有効利用という観点も必要と強調した。

 このほかセミナーでは会場後方にコロナ、トヨトミ、長府製作所、ノーリツが最新石油機器、ホクエイがホームタンクなどを展示し、導入を呼びかけた。

 なお、セミナーは14日に函館でも開かれ、桃山学院大学の小嶌正稔教授が特別講演した。


石油機器メーカーが最新機器を展示した


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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■「まずは技術力磨け」 HNCが勝ち組SS応援セミナー
■基本方針への準拠求める 官公需で経産省が都道府県知事に要請
■LINEでショップカード 道エネチャレンジ西野3条SS
■油販増大へ集客策次々 東日本宇佐美セルフ山の手通宮ノ丘SS