
危険物施設が年々減少する中でも特にここ数年、危険物施設事故は増加傾向で推移してきたが、昨年、火災と流出とを合わせた事故発生件数は全国で709件となり、過去最高だった前年を44件下回っていたことが、このほど消防庁のまとめで明らかになった。ただ、過去に例のなかった700件超えは3年連続となり、依然として「高水準」が続いている。
危険物施設における事故件数は平成6年の287件(火災113件、流出174件)から増加に転じ、600件を超えた平成19年以降は、増減を繰り返しながらも高い水準での「横ばい」状態で推移。646件となった令和3年からは再び右肩上がりとなった。
昨年1月から12月までに全国で発生した危険物施設事故は、火災、流出を合わせて709件。調査を開始した平成元年以降で最も多かった令和6年の753件を44件下回り、また、危険物施設が前年より3546カ所減って37万5574カ所となる中、危険物施設1万カ所当たりの事故発生件数も過去最高だった前年を0・98件下回る18・88件となった。
このほかにも無許可施設で6件、危険物運搬中に9件の事故が発生しており、これらも合わせると危険物に係る事故は前年を49件下回る724件となる。
■ 火災事故
危険物施設で発生した火災事故は、死者が発生するなどした重大事故10件を含む261件で、前年を6件下回った。これら事故による死者は前年と同じ1人、負傷者は6人減って44人だった。
施設別では一般取扱所での発生が170件で最も多く、これに製造所41件、給油取扱所36件が続く。また、危険物施設1万カ所当たりの発生件数は製造所が82・59件で最も多く、次いで一般取扱所29・76件、給油取扱所6・58件だった。
出火原因物質は、4割を超す120件が第4類の危険物で、内訳はガソリンなどの第1石油類が60件、重油などの第3石油類が23件、潤滑油などの第4石油類が17件、軽油や灯油などの第2石油類が16件など。
また、発生原因は半数を大きく超す155件が維持管理や操作確認不十分などの人的要因、73件が腐食疲労等劣化などの物的要因、33件が不明や調査中を含むその他の要因となっており、着火原因は静電気火花が53件で最も多く、次いで過熱着火が36件、高温表面熱が30件などだった。
なお、このほかにも無許可施設で4件、危険物運搬中に1件の事故が発生しており、これを含めると危険物に係る火災事故は266件となる。
■ 流出事故
危険物施設で発生した流出事故は重大事故10件を含む448件。5年連続で400件を上回ったものの、過去最高だった前年を38件下回った。これら事故による死者は前年と同じ1人、負傷者は16人減って24人だった。
施設別では一般取扱所での発生が141件で最も多く、屋外タンク貯蔵所78件、製造所70件、給油取扱所65件、移動タンク貯蔵所40件が続く。また、危険物施設1万カ所当たりの発生件数は製造所が141・02件で最も多く、次いで移送取扱所129・35件、一般取扱所24・68件、屋外タンク貯蔵所14・10件、給油取扱所11・88件だった。
流出した危険物は、448件すべて第4類の危険物で、内訳は第2石油類が159件、第1石油類が114件、第3石油類が111件など。
また、発生原因は227件が物的要因、188件が人的要因、33件が不明や調査中を含むその他の要因となっており、物的要因では腐食疲労等劣化が148件、人的要因では操作確認不十分が72件で最も多かった。
なお、このほか無許可施設で2件、危険物運搬中に8件の事故が発生しており、これらも含めると危険物に係る流出事故は458件となる。