ピンチをチャンスに
採算販売への意識高揚
2022.1.1
 今年も10日ほどを残すばかり。ここにきて真冬並みの寒波が断続的に入り込み、イライラ続きの灯油商戦にも光が見えてきたが、道内石油業界の今年を振り返れば、やはり「コロナ禍と原油価格の高騰に翻弄された1年」となるのか。ただ、不毛な安値競争に与しない適正市況構築への努力、油販の減退を油外で補う取り組みの強化など、ピンチをチャンスに転じる動きがしっかりと定着。力強い足音が聞かれた1年だったとも言えそうだ。

 年初は2桁だった道内の新型コロナウイルス感染者数は1月下旬から拡大し、27日からまん延防止等重点措置が発令されて3月下旬まで続くことになるが、それ以降はウィズコロナが定着。7月に第7波、11月には第8波となって感染者数が1万人を超し、鈴木直道知事が不要不急の外出自粛を呼び掛けたものの、緊急事態宣言などの発令はなく、経済活動の再開などに伴って人の動きも活発化していった。

 そうしたことで燃料油需要も増大していくかに見えたが、ロシアのウクライナ侵攻で急騰した原油価格が下押し要因となって需要はコロナ禍前には届かず、道内石油業界の今年を振り返れば、昨年と変わらず「コロナ禍と原油価格の高騰に翻弄された1年」ということになる。

 ただ、燃料油需要の減退を受けて採販への意識が強まったことから、不毛な安値競争に与しない適正市況構築への努力が続けられ、また、各SSでは油販の減退を洗車やコーティング、車検などに物販を含めた油外で補うべく取り組みを強化するなど、ピンチをチャンスに転じる動きが各方面でこれまで以上にしっかりと定着。そのような意味で、盤石な体制づくりへの力強い足音が聞かれた1年だったとも言えそうだ。

 また、化石燃料を販売する業界とは表裏をなすが、脱炭素への理解、取り組みが深まった1年でもある。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

■「採算販売」最優先に 北石連・商理事会が総会提出議案承認
■「まずは技術力磨け」 HNCが勝ち組SS応援セミナー
■基本方針への準拠求める 官公需で経産省が都道府県知事に要請
■LINEでショップカード 道エネチャレンジ西野3条SS
■油販増大へ集客策次々 東日本宇佐美セルフ山の手通宮ノ丘SS