用意した250席がほぼ埋め尽くされた防災セミナー
石油連盟石油システム推進室は15日、札幌市内のホテルで札幌防災セミナー「北海道の天気が変わった!増える自然災害─温暖化では北海道の冬が寒冷化する─」を開催。
定員を上回って200人を大きく超えた来場者に、とりわけ可搬、貯蔵が容易である石油が災害時に大きな力を発揮することを訴え、また、それぞれが個人でできる災害対策なども呼び掛けた。
セミナーは北海道石油システム推進協議会との共催で、日本ガス石油機器工業会が協賛する。
冒頭、主催者を代表して石油連盟石油システム推進室の谷口純室長があいさつし、石油連盟の構成や役割にも言及したあと、石油や石油機器が災害時に大きな力を発揮することや新たな
生活様式にもマッチすることなどを動画も交え紹介。さらに満タン&灯油プラス1缶運動が災害時への備えとして有効であることを強調するとともに、道内SSの75%を占める住民拠点
SSの検索方法などにも言及した。
また、日本ガス石油機器工業会の宮坂浩委員があかり取りにもなる対流型石油ストーブ、石油こんろ、煮炊き暖房用バーナーなど「災害時に頼れる石油機器」や、石油ストーブの周りに
集まって暖を取る能登半島地震避難所の様子などを紹介した。
このあと石油機器メーカー各社の機器の説明や休憩をはさみ、気象予報士で防災士、フリーキャスターでもある菅井貴子さんが「気象報道の現場から北海道の災害に備える」と題し講演した。
週間予報は昼間に聞くのが一番、天気図で等圧線がタテになっている時は雪、といった「天気予報のワンポイント」から話を切り出した菅井さんは、九州~東北間に匹敵する気候多様性を
有する北海道の天気が変わってきているとし、大雨や暴風、大雪、猛暑など「観測史上初の現象が増加している」とした。
さらに「研究者もびっくりするようなペースで加速」する温暖化で異常気象が増えるとし、具体的には、①強い台風が増加②爆弾低気圧が増加③北海道が寒冷化─することを指摘。
「想定外を想定」する時代になったことも強調しながら、特に北海道の寒冷化については、北極の氷が解けることによるシベリア高気圧の張り出しで北海道に寒気が流れ込むためだとし
、今年2月の帯広での記録的な大雪もその一例だとした。
このほかにも台風と地震、大雨と感染症、噴火と大雪など複合型の災害が増えるであろうことにも言及し、それらの災害から命を守る3原則は情報、備え、知識・意識であると訴えた。
セミナーではまた、司会を務めたフリーアナウンサーで防災士の黒田典子さんが、子ども達の気付きを大切にする「ぼうさいNURIE」について説明。トヨトミ製電池レス石油ストーブ
が当たる抽選会も行われた。