問われるBCPの策定
事業継続リスクが増大
2026.8.5
 熊本県で最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」が発生する一方、関東ではゲリラ豪雨が続くなど、企業の事業継続リスクが目に見えて増大する中、事業継続計画(BCP)策定の必要性が改めて問われている。災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」でもある石油業界。非常用発電機を保有する住民拠点SSなどの急速な整備でハード面は目を見張る進展を遂げたが、今、それらを活かすソフト面の整備、拡充が求められる。

 BCPとは、地震や風水害、噴火などの自然災害にとどまらず、テロ攻撃やサイバー攻撃なども含む緊急事態に遭遇した際、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続や早期復旧を可能とするために行う活動や事業継続の方法、手段などを事前に定め文章化したもの。

 税制上の優遇や金融支援などが受けられ、事前対策としての認定制度がある「事業継続力強化計画」とは違って事後対策が中心となるが、緊急時にも事業を継続できるようにしておくことは、社会生活に欠かせないエネルギーの安定供給を使命とする石油業界にとっても極めて重要となる。

 具体的には、限られた人員や資金を優先的に投入する「中核事業」を決めた上で、それを何日以内に再開すれば資金繰りが持ちこたえられるかなどを算出した目標復旧時間や復旧阻害要因の除去方法、社内体制などを定めた「対策」を盛り込んでいくことになるが、様式や分量などへの制約は一切なく、策定は思いのほか容易。様々な機関や団体からの支援を受けることもできる。

 ただ、帝国データバンクが今年6月、全国2万2749社を対象に実施した調査によると、BCP策定率は前年を1・0ポイント上回ったものの21・4%と低率。さらには大企業のそれが39・9%であるのに対し、事業の中断がそのまま倒産や廃業にもつながりかねない中小企業は18・3%と2割以下にとどまっているのが実情だ。

 本道でも住民拠点SSなどの整備が急速に進んだことから、中核SSや小口燃料配送拠点とも合わせ、非常用発電機の設置などハード面は目を見張る進展を遂げたが、それらを有効に活かしていくのもソフト面の充実があってこそ。

 中小企業などにはスキルや人材、時間といった基本的な経営資源の不足があり、単なる意識の問題ではなく、構造的な課題が策定を阻む要因になっている、との指摘もあるが、災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」としての機能を全うしていくためには、重ねての訓練とともにBCPの策定が急務となる。


北海道のガソリン価格予想
8月10日(月)から8月16日(日)まで
価格下降
仕切りが実質ベースで下落

08月10日付掲載予定

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