伸びぬBCP策定率

「最後の砦」遂行に不安も
2026.10.15

各種訓練を積み重ねることでSSの災害時対応能力は一層の進歩を遂げつつある
 本年度も7月23日の陸別を皮切りに、災害発生時における燃料油の円滑な供給に向けた国の補助事業「災害時対応実地訓練」が道内5カ所で行われ、過去10年の訓練で積み上げられてきた成果へのさらなる上積みが図られた。これによって災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」となるSSの災害対応能力は一層の進歩を遂げつつあるが、一方でその大元ともなるBCP(事業継続計画)の依然として低い策定率が今、改めて気になってくる。

 BCPは、企業が自然災害や大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合に、事業資産の損害を最小限にとどめつつ中核となる事業の継続や早期の復旧を可能とするため平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを予め定めて文章化したもの。もちろん前述の自然災害などに限らず、情報セキュリティ上のリスクや感染症、インフラの寸断などに対する備えにもなるが、こと自然災害に限れば、様々に行われてきている訓練の大元となるものであり、何より地域の人達に対する燃料油の安定供給という使命を負う石油販売業者にとって「絶対に欠かせないもの」であるという指摘も、あながち間違いとは言えない。

 ところがBCPの策定率は思いのほか低い。今年7月に帝国データバンクが発表した調査結果によると道内企業の策定率は19・1%。また、大企業が32・4%であるのに対して中小企業は16・6%にとどまる。他方、未策定の企業は前年よりやや減少したものの45・9%となり、依然として4割を超えている。背景にはスキルや人材、時間といった基本的な経営資源の不足があり、単なる意識の問題ではなく、構造的な課題が導入を阻む要因になっているようだ。

 様式や分量などに制約などは一切なく、策定は思いのほか容易。策定後の変更なども自在で、中小企業庁や中小企業団体中央会などの支援も受けられる。様々行われている訓練の成果を薄めないためにも、石油業界が他の業界をリードする形で策定に動くということに期待したいものだ。


北海道のガソリン価格予想
10月12日(月)から10月18日(日)まで
価格上昇
週末下げ、週初め値戻しパターン

10月15日付ヘッドライン

■伸びぬBCP策定率 「最後の砦」遂行に不安も
■人材確保策など協議 宗谷石協が支部連絡会議
■全国の「好事例」に学ぶ 稚内で高収益研究セミナー
■事前の適切な整備訴え 車検の不合格など多く道運輸局
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