需要減退 より一層鮮明に
前年にも届かず353万kl
2025.11.15
 本年度上半期(4~9月)の道内燃料油販売は、製品価格の高止まりなどから、ナフサを含む7油種合計で前年度を20万kl余り、5・5%下回る353万3253klにとどまっていたことが石油連盟のまとめで明らかになった。中でもガソリンは4月から一度も前年実績を上回ることなく100万klを割り込むなど、需要の減退がより一層鮮明になっている。

 本道の上半期燃料油販売(上表参照)は、平成25年度まで500万klを上回っていたが、26年度に469万klへと落ち込んでからは29年度まで500万klを境に一進一退で推移。30年度にみたび500万klを割り込んだあとは令和元年度にナフサの60万kl余りに及ぶ減少で408万kl、さらに2年度には新型コロナウイルス感染症の広がりなどで349万klへと減少し、それ以降やや持ち直していたものの、5年度以降は漸減傾向で推移してきた。

 本年度も原油価格の高騰や円安を背景とした製品価格の高止まりなどが下押し要因となり、7油種合わせて前年度を20万kl余り、5・5%下回る353万3253klにとどまった。少なくとも過去10年で最低だった令和2年度をわずかに4万kl余り、1・2%上回るだけとなっている。

 油種別でも、火発需要の増大でC重油が前年度を2万kl余り、4・3%上回ったが、10klで前年度と同じだったナフサを除く残り5油種はいずれも前年を割り込んだ。

 ガソリンは4月から一度も前年実績を上回ることなく3・6%減の99万9686klとなり、今の集計方法となった平成22年度以降で初めての100万kl割れ。

 また、時間外労働の上限規制に伴う輸送の合理化などで軽油が3・0%減の102万6603klとなったほか、非需要期ながら灯油も21・6%減と大幅に落ち込んで37万1164klとなり、ジェット燃料油、A重油も同様に伸び悩んだ。



 また、今年9月単月の道内燃料油販売(下表参照)は、販売がなかったナフサを除く6油種合わせて56万208kl。前年同月を17・0%下回って3カ月連続の前年割れとなった。

 油種別でも、6油種すべて前年を下回り、ガソリンは価格高騰の影響を引きずって6・9%減の16万406kl。昨年12月から10カ月連続で前年を割り込んだ。

 このほか軽油は貨物輸送の減少などで2・4%減の17万9830kl、灯油は在庫調整の遅れなどで42・0%減の4万579klとなりともに3カ月連続の前年割れ。

 また、ジェット燃料油は5・9%減の4万7202klで5カ月連続、A重油は10・8%減の5万9234klで12カ月連続の前年割れとなっている。


北海道のガソリン価格予想
11月17日(月)から11月23日(日)まで
変わらず
国の補助金拡大に伴う値下げも一段落

11月15日付ヘッドライン

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