中小企業庁は、中小企業等の受注機会増大に向けた地方公共団体の措置状況を調査し、その結果をこのほど公表した。令和3年度の官公需契約額は12兆2275億円で、予算総額に対する契約率は73・2%と前年度より0・3ポイントダウン。本道での契約率は80・7%と全国を7・5ポイント上回っており、調査対象となった北海道と9市すべてが石油組合と燃料供給協定を締結、このうち4市は燃料供給で随意契約を行っている。
中小企業庁の「地方公共団体による中小企業者の受注機会の増大のための措置状況等調査」は47都道府県、人口10万人以上の263市、東京都23特別区を対象に実施したもの。
これら調査対象となった都道府県などの官公需予算総額は、昭和50年代から徐々に増加し、平成元年度は15兆5582億円。7年度に23兆5242億円とピークを迎えてからは減少に転じ、22年度には11兆7726億円と7年度の半分まで減少したものの、その後は再び増加に転じ、令和3年度は16兆7106億円となっている。
そのうち中小・小規模事業者向け契約額は平成元年度が10兆9795億円で、総額に占める割合は70・6%。7年度は16兆1988億円、68・9%、予算が大きく減少した22年度は8兆8909億円だったが、75・5%と高い契約率を達成。令和3年度は12兆2275億円、73・2%と契約率で22年度を2・3ポイント、前年度を0・3ポイント下回った。
本道では、北海道と人口10万人以上の札幌、函館、小樽、旭川、釧路、帯広、北見、苫小牧、江別の9市を合わせた令和3年度予算総額が前年度比3・3%増の8945億円、中小・小規模事業者向け契約額が1・4%減の7218億円。契約率は80・7%と全国平均を7・5ポイント上回ったが、前年度を3・8ポイント下回った。
内訳は北海道が3744億円に対し3056億円の81・6%、9市が5201億円に対し4132億円の80・0%。北海道は前年度より8・2ポイント、9市も0・4ポイント下回った。
また、北海道、9市いずれも中小・小規模事業者の受注機会増大のための何らかの措置を講じており、旭川など4市がそれを条例で、北海道と5市(条例と重複含む)が契約方針で措置。発注地域内に本店または営業所を有する者といった地域要件の設定などを行っている。
石油組合とは、すべて災害時の燃料供給協定を締結。帯広市は平時からの燃料供給協定を締結しており、さらに1市は分離・分割発注、4市は随意契約を行っている。
なお、新規中小企業者受注機会増大のための措置として、北海道と3市は一般競争入札で過去の実績を過度に求めないこととしている。