SS店頭にもスタッフ募集看板などが目立つ
コロナ禍に伴う様々な制約がなくなって道内経済には追い風が吹くが、3年余にわたる「苦戦」の挽回を期すSS業界には、原油価格の値上がりや円安に伴う製品価格の高騰といった強い逆風が吹き付けるとともに、人手不足といった試練ものしかかる。とりわけ人手不足は日増しに深刻の度を増しているようで、金科玉条である油外を手放す事例も出てきている。
札幌市内のあるSS所長は「何事も抑え続けられてきたコロナ禍が意識の外となり、人の動きが頻繁、広範囲になってきている。こういう時にこそ油販、油外ともに強くアピールし、増販を図るべきなのだろうが、イベントをやろうにも人手が足りず踏み切れない」と嘆く。また、別のSSマネージャーは「計量機4基を2人で回さなければならないこともあり、そんな時にはお客様とのコミュニケーションは無論のこと、要望に応えることもできない。地域密着などと言っている自分が恥ずかしい」とも。
今また、人手不足はことのほか深刻だ。本道の有効求人倍率は最新8月29日現在1・10で、大阪とともに全国で最も低いが、そうした数字も人手不足の解消には全く役立たないよう。ある販売業者は「脱炭素が多くの人達の口端に上る中、CO2排出の権化みたいなこの業界は就職先としての魅力を失ったのかも」と自嘲気味に話す。
業務遂行にも様々な支障が生じている。残業の増加など働き方改革からの逸脱のみならず、カーケアなどの飛び込みへの対応もし切れないのが実情のようで、SS業界にとって金科玉条である油外を手放すといったケースも出てきている。
人手不足解消には、ミスマッチの解消や主婦層など潜在労働力の掘り起こしなどが有効とされるが、どれにも特効薬的効果はなく、抜本的な「何か」が必要そう。業界の未来を閉ざさないためにも、挙げて対策を考えなければならない時期にきた、と言えそうだ。
北海道のガソリン価格予想
5月5日(月)から5月11日(日)まで
価格下降
仕切り価格下落か
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05月10日付掲載予定
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