暫定税率廃止の陰に問題
国環研CO2排出増試算
2025.10.5
 政府は、中東情勢の緊迫化による燃料油価格の急激な上昇に備えた予防的な措置として7~8月に実施してきた予防的な激変緩和措置を当初の予定どおり8月で終了し、9月4日の週からの補助金は定額引き下げ措置分だけとなった。

 ガソリンへの補助金は2022年1月から全国平均価格が1㍑当たり170円程度となるように抑制する「燃料油価格激変緩和事業」として導入され、25年5月からの新ガソリン補助金は1㍑当たり10円の定額引き下げとなった。この補助金が始まったときから、世界的潮流となっている脱炭素化に逆行している、市場を歪めるなどという批判があったが、それでも政府は生活必需品であるガソリンなどの価格維持、物価高対策を理由に継続してきた。

 ガソリンの価格で注目されているもう一つが暫定税率。道路整備などの目的税として導入されたが、一般財源化されても続いた。ガソリンの価格高騰から廃止論が高まり、廃止する方向性は決まっているものの、いつ実施するのか、それに変わる財源をどうするのかといったことが現段階では不透明だ。ただ、この暫定税率が軽油を含めて廃止になると、2030年度のCO2排出量が610万㌧増加すると国立環境研究所が試算した。政府は2030年度に7億6000万㌧まで減らすとしており、610万㌧の増加は「かなりのインパクトになる」と環境大臣も認めている。あちら立てればこちら立たずといった状況になりかねない。 (祐)


北海道のガソリン価格予想
11月10日(月)から11月16日(日)まで
価格上昇
値戻しへの意欲旺盛

11月10日付ヘッドライン

■需要減退鮮明に 前年にも届かず353万kl 上半期の道内燃料油販売
■「次世代技術」一堂に会す ビジネスEXPO
■ゼロカーボン推進計画改定素案了承、道環境審2月にも答申へ
■保安確保の重要性確認 道高圧ガス保安大会開く
■油外好調、目標達成間近 出光リテール札苗SS