SS過疎対策で方針案
行政等の後押し重要に
2025.12.5
 ガソリン需要の減少や後継者難などからSSが減少しており、高齢者の通院や冬場の灯油配送などに支障を来すといった問題が顕在化する中、北海道経済産業局は、12月15日開催の「SS過疎地対策セミナー」に向けたSS過疎地対策方針案をまとめた。中では、供給ネットワークの維持をSSにのみ頼るのは限界であり、今後は自治体の役割が重要と提言している。

 全国のSS数は、低燃費車の普及などによるガソリン需要の減少や後継者難などから30年連続で減少を続けており、中でも市町村内にSSが3カ所以下しかない「SS過疎地」は年々増加傾向にある。今年3月末現在のSS過疎地は全国で381市町村。本道は前年より5町増えて73市町村となり、全国の19・2%を占めるなど、全国に比べてSSの維持が喫緊の課題となっている。

 こうした状況に対処するため北海道経済産業局は、12月15日のセミナー開催に向けた「SS過疎地対策の方針案」をまとめた。

 需要の減少で地域の燃料流通を担うSS数、事業者数ともに減少傾向にあり、その7割が中小企業、いわゆる「1SSディーラー」 で、今後さらにSSが減少すると、地域住民や域内各種事業への石油製品の供給が滞る可能性があると指摘。

 SS過疎地におけるSSの事業継続に当たっては、施設の老朽化や地下タンク規制への対応といったハード面にとどまらず、従業員や後継者の確保、収益の改善といったソフト面の問題も大きいとした上で、そうした課題解決に向けては、事業者の自助努力のみでは困難であり、 「必要性の確認」と、それに基づく「住民の理解」や「行政等の後押し」が重要だとしている。

 また、SSは災害時のエネルギー供給の「最後の砦」となるインフラであり、ガソリンの代替燃料を含め、エネルギー供給に貢献する拠点として引き続き不可欠であることを強調。災害時や地域の輸送手段として不可欠な石油製品の供給ネットワークをどう維持していくべきか、と投げ掛けた上で、経営体質の強化やリスク分散のほか、民間企業のSSにのみ頼るのは限界だと改めて指摘しながら、自治体の役割が益々重要になることも明記した。

 なお、12月15日午後3時から旭川市国際会議場大会議室で開かれる「SS過疎地対策・SDGsセミナー」では、SSの持続性確保のための経営多角化や異業種連携などについてのトークセッションが行われる。


北海道のガソリン価格予想
12月1日(月)から12月7日(日)まで
変わらず
上げの動きも

12月10日付掲載予定

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