自動車の脱炭素化は蓄電池の進化とトヨタの取り組みに左右される
2026.1.20
低・脱炭素化の取り組みが緩められることはない

 地球環境問題の深刻化、世論の関心の高まり、技術革新等により、世界各国で環境政策が見直され、地球温暖化を引き起こす原因物質の一つとされる温室効果ガス(GHG)排出量の約9割を占めるエネルギー起源の二酸化炭素の排出量を削減することが国際社会において大きな課題になっています。

 産業革命以降の地球表面の平均気温とGHGの排出積算量(累計)との間に相関関係がみられますので、地球温暖化を止めるためには、二酸化炭素をはじめとするGHGの排出量から、植林や森林の管理・育成などによる吸収量、大気中から回収して固定化する量などを差し引いて、合計を実質的にゼロにする、いわゆるカーボン・ニュートラルを実現する必要があるとされているからです。

 地球温暖化は年々加速化して進んでいますので、低・脱炭素化に対する取り組みは、今後、強化されることはあっても緩められることはないと考えられます。


脱炭素化を経済的に実現する方法は見つかっていない

 わが国の現行の総合エネルギー政策では、低・脱炭素化を図るために、徹底した省エネの推進、電化が可能な全分野における低・脱炭素化した電気への需要シフト、水素・アンモニア・合成燃料・SAF等の脱炭素化燃料の導入および利用の拡大などを進め、発電所や工場から排出される二酸化炭素を大気に放出する前に分離・回収したり大気中から回収したりして、地下に長期間安定的に貯留するCCS、あるいは二酸化炭素を燃料や化学品、固形物に転換して利用するCCUSを導入するなどの方針が示されています。

 しかし、まだ電化シフトを強力に推進するような制度は導入されていません。電気の低・脱炭素化が、原子力の正常化の遅れ、再エネの大量導入に伴う様々な弊害の発生などによって、十分に進んでいないことがその一因と思われますが、電化や脱炭素化燃料の導入が本格化すると石油製品の需要減少ペースが加速化されると考えられます。 なお、CCS・CCUSによっても、経済的に成り立つコストで大量に回収・貯留・利用できる目途は立っていません。脱炭素化を経済的に実現する方法はまだ見つかっていないと考えられます。


自動車の脱炭素化を左右するBEV普及の鍵は蓄電池の進化とトヨタの取り組みによる

 2023年度のデータで二酸化炭素排出量の18・5%を占める運輸部門において40数%の構成比を占める自動車の低・脱炭素化は、GHGの削減において重要な分野の一つです。経済産業省は、その対策の一つとして新車の販売を2030年代に電動車に限定する政策を導入する方針を示していますが、まだ具体策は明らかになっていません。

 わが国では、自動車の低・脱炭素化は1979年6月に制定された「エネルギーの使用の合理化に関する法律(略称「省エネ法」 、2023年4月に「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に改称)に「トップランナー基準」の考え方を導入して、自動車の燃費性能の改善をメーカーに競わせるとともに、助成金の支給などによる低公害・低燃費車の普及を促進することによって図られてきました。

 これらの成果は着実に発揮されてはいますが、脱炭素化を実現するためには、脱炭素化された電気によって走行する電気自動車(BEV)あるいは二酸化炭素を排出せずに製造されたグリーン水素を燃料とする水素燃料自動車・燃料電池車(FCV)などに置き換えていく必要があります。水素自動車は、電池の性能・機能の向上と低コスト化によってBEVに対抗するのが難しくなったこと、経済性のある水素のサプライチェーンを確立することが簡単ではないことが明らかになったため、主にBEVの導入及び普及に向けた取り組みが中心になっています。

 2025年の乗用車の新車販売構成比は、ガソリン車31・9%、HEV60・4%、PHEV1・6%、BEV1・6%、ディーゼル車4・5%で、BEVの過去5年間の新車販売構成比は、21年0・9%、22年1・4%、23年1・7%、24年1・3%、25年1・6%とほとんど増加していません。世界的にみても、先進国の多くでBEVの普及ペースが鈍化しています。

 BEV普及の鍵は、開発競争が繰り広げられている蓄電池の性能の向上、安全性の向上、軽量化、主原料の安定調達確保、量産化などの動向と、リーディングカンパニーのトヨタの取り組みによると考えられます。トヨタがBEVのラインナップを整え始めてきたことを考慮すると、わが国でも今年からBEVの新車販売構成比が高まってくると予想されます。



北海道のガソリン価格予想
1月19日(月)から1月25日(日)まで
価格上昇
仕切り上昇のため その後下げも

01月15日付ヘッドライン

■ガソリン最大14円、全市大幅値下げ 道内35市燃料油納入価格
■騰勢強める原油価格 下落予想あっても目離せず
■2026年は減少見通し 夏・冬用市販タイヤ需要
■「70歳まで」が40%超す 道内企業の高齢者雇用
■人手不足も主軸の洗車に総力 AIX新光北25条SS