合成燃料に大きな期待
望まれるコスト高解消
2024.9.10
 日本の技術力ってそんなもんなのかと落胆したことがあった。福島第1原発の溶融核燃料(デブリ)試験取り出しが中止になった件である。2011年の爆発で溶け落ちたデブリを除かなければ廃炉に向けた建屋の解体もできないため「廃炉に向けた作業の本丸」と言われていた。

 慎重な対応で、これまで2回の採取延期があった。8月22日の3回目は伸縮パイプを使い、1週間かけてデブリに到着し、2週間かけて回収するというものだったが、パイプ5本のつなぐ順番が違うという初歩的なミスで中止に。推計880㌧あると言われているデブリのうち、今回はわずか3㌘の採取だったのに、その作業に入る前の中止という何ともやりきれない出来事であった。

 何ともやりきれないものはほかにもある。脱炭素に向けた電動化の攻勢の中で、石油業界が期待を寄せるものに合成燃料がある。ガソリンと成分が近く、既存インフラがそのまま使え、温室効果ガスを排出しないなどのメリットがあり早期実用化が望まれるが、有識者が「利用は代替エネルギーへのシフトが難しく割高でも利用せざるを得ない航空燃料や船舶用燃料などの分野に限定される」と指摘するようにコスト高が課題だ。

 1立方㍍当たり100円する再エネ由来の水素で合成燃料を製造すると、1㍑当たり700円程度とガソリンの4倍にもなり、これでは到底ユーザーに受け入れられない。早くガソリン並みになることを切望する。   (祐)


北海道のガソリン価格予想
9月9日(月)から9月15日(日)まで
価格上昇
仕切り上昇 週前半に引き上げ

09月15日付ヘッドライン

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