石油の有効活用を考えるべき 
2015.12.7
北米の原油・天然ガス事情を巡る誤解

 北米の石油・天然ガス生産設備(リグ)の稼働基数の変化をみると、石油のリグは、12年半ばまで増加傾向で推移した後、1400前後の高水準を維持していますが、天然ガスのリグは11年11月以降に急減し、足元の稼働基数は11年年秋のピーク時の約三分の一の350~360まで減少していることがわかります。

 そして、アメリカの原油生産量は11年後半から顕著に増加し、原油の純輸入量が減少する一方で、天然ガスは、純輸入量は減少傾向で推移しているものの、生産量は11年11月以降伸び悩んでいます。天然ガス生産量が維持されているのは、原油の増産によって随伴ガスの生産量が増加しているからです。


 また、ニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)の先物取引市場の原油と天然ガスの限月別価格をみると、その方向性が全く逆になっていることがわかります。6月7日の原油の先物価格は期近(13年7月)物が1バレル96・03ドル、期先(21年12月)物が80・99ドルとバックワーデーション(先安)になっているのに対して、天然ガスは、期近(13年7月)物が百万BTU当たり3・83ドル、期先(25年12月)物が7・56ドルとコンタンゴ(先高)になっています。これは、市場参加者のコンセンサスが、アメリカ国内の原油と天然ガスの価格差が縮小していくと予想していることにほかなりません。

 日本では、一般的に、シェールガス革命によって日本の天然ガス調達価格が大幅に低下すると信じられています。一部の評論家は、シェールガスの生産コストが割安で、アメリカでは今後もシェールガスが増産され、輸出が解禁されるとシェールガスを原料にした割安なLNGが日本に大量に輸入されるようになると説いています。しかし、上述したデータから、この説明に無理があることが判ります。

シェールガスに対する過度な期待は後退へ

 原油やLNGは国際間取引が容易にできるため、その価格は世界全体の需給変動の影響を受けます。他方、天然ガスは、大量に貯蔵できないこともあり、パイプライン網が形成されている地域内でのみ需給調整や価格裁定が働くローカル商品です。特に北米の天然ガス市場は、輸出が制約されているため、ローカル性が強く、現状は過剰供給によって取引価格が著しく押し下げられた状態にあると考えられます。

 今後、北米から天然ガスが液化されて大量に輸出されるようになると、北米では、天然ガスの需給が引き締まって取引価格が上昇し、LNGの国際取引価格との間で裁定が働くようになると考えられます。実情が理解されれば、シェールガス革命に対する過度な期待は薄れていくでしょう。

資源制約説が後退した石油の位置づけを見直すべき

 一方、北米では、シェールオイルやオイルサンドなどの開発によって、国際商品である原油の増産が今後も続き、純輸入量がさらに減少すると見込まれます。

 また、非在来型石油資源の探鉱・開発は、北米に限らず、世界各地で進められています。この結果、石油の可採埋蔵量が大幅に増加しています。第一次オイルショック時には原油は40年足らずで枯渇するとされていましたが、今や可採年数が百数十年を超えると予測されるようになり、石油の資源制約説が後退しています。

 日本では、原子力事情の変化によって、エネルギー政策の見直しが避けられなくなっていますが、東日本大震災の際に供給安定性・柔軟性が優れていることが実証され、資源制約説が後退し、価格高騰懸念が薄れた石油の有効活用を再度検討すべきではないでしょうか。



北海道のガソリン価格予想
6月1日(月)から6月7日(日)まで
価格上昇
仕切り上昇分転嫁、底上げへ

05月30日付ヘッドライン

■「最後の砦」を再確認 北石連・商が通常総会・総代会
■新会長に荒井喜和氏 道油政連が通常総会
■難局乗り切りへ結束 4石協が通常総会
■地域密着を武器に油外の売上増目指す 道エネチャレンジ栄町
■油外増販へ「こまめな案内」徹底 奥田管理浦河SS