公取委が指摘している問題は業転品の取扱いだけではない 
2015.12.7
  公正取引委員会が、取引上優位な立場の元売が、系列特約店に業転玉の購入・販売を制限するのは公正な競争環境整備の観点から適切ではないとの見解を明らかにしたと報道されました。

 これは、公取委経済取引局の原取引部長が、6月25日、自由民主党の石油流通問題議員連盟の役員会で、公取委が行ったガソリン流通実態調査に基づいて、元売が系列特約店に対する業転玉の購入・販売の制限していること、一般特約店に対する十分な情報の開示や交渉が行われていないことなどを問題点として挙げて、これらの行為が、取引上優越した立場にある元売が一般特約店に対し、一方的に競争上不利な取引条件を課しているおそれがあるとの見解を示したことによるものです。


 公取委がガソリンの流通実態調査を行ったのは今回が初めてではなく、04年にも同様の調査を行って報告書を公表していました。

 今回の調査資料および報告書は、一般にはまだ公表されていませんが、マスメディアの報道によると、新価格体系導入後における系列特約店間の仕切格差の実態、系列玉と業転玉との仕切格差の実態、業転玉を取り扱っている店に対する石油元売の対応を把握する目的でおこなわれたとのことで、資料には、以下の内容が含まれているとのことです。

* 元売が出荷・販売しているガソリンには油槽所を共用していたり、バーター取引をしていたりする他の元売が精製した製品が含まれている。
* 11年7月から12年6月までの1年間に元売が販売したガソリン販売数量のうち、約10%が商社に販売された後、業転玉として販売されている。
* 特定の地域及び期間における系列特約店向けの仕切価格に最大で1リットル当たり6・9円の開きがあった。
* 同一元売と系列・業転両取引をしている商社の業転玉は系列玉に比べて平均3・8円安かった。
* 多くの特約店が仕切価格算出のベースとなっている物流費や販売関連コストを開示されていなかった。
* 元売は、商標使用許諾契約や特約店販売契約により、系列特約店に対して自社のガソリンのみを購入・販売することを義務付けていた。

 公取委は、これらの調査結果から、公正競争確保の観点から、①元売は一般特約店に対し、仕切価格だけでなく各構成要素の額を請求書などに明記する必要がある、②元売が販売関連コストを一方的に通知するのではなく、一般特約店の理解を十分に得られるよう説明及び意見交換を定期的に行うべき、③特約店契約に基づき元売のブランドマークを掲げた系列SSで系列玉と業転玉を混合して販売することを禁じているのは問題などの見解を示したもようです。

 公取委が04年9月に公表した前回のガソリンの流通実態調査では、系列特約店向け系列玉の最高値と最安値との差は、平均で1リットル当たり10円程度、中小の系列特約店向け系列玉と大手商社向け業転玉の卸売価格には3円から8円程度の価格差がみられたとされていました。したがって、今回の調査結果の方が系列仕切価格の差は縮小したことになりますが、仕切り価格の差が再び拡大傾向にあること、小売マージン(小売価格と卸売価格の差)が9年前に比べて平均で2~3円縮小するなど、石油販売業界の収益環境が悪化傾向で推移していることなどを考慮すると、現状の仕切価格差には問題があると考えざるをえません。

 公取委は、04年9月の報告書で、元売の卸売価格差について、取引内容が同一の場合、実質的な卸売価格に著しい相違がある場合、取引内容が同一とは見られない場合、取引内容の総意を超えた著しい相違がみられる場合に、それぞれ独占禁止法に抵触すると示していました。また、系列特約店等による業転玉の取扱い制限について、恣意的・差別的な行為、同系列の特約店からの業転玉の仕入れの禁止、他社のガソリンとの混合・混入などにより自社の系列玉としての品質管理を行っていない場合の商標権の行使が、問題のある行為と例示していました。そして、仕切価格の算出方法等の説明、事後調整の廃止なども求めていました。

 系列特約店・販売店の元売に対する批判は、絶えることはないでしょうが、少なくとも公正取引に反するとの指摘には丁寧に対応する必要があります。

 公平な競争条件に基づかない競争によって系列特約店・販売店を含めたグループ全体の競争力を強化したり収益力を高めたりすることができないからです。



北海道のガソリン価格予想
6月1日(月)から6月7日(日)まで
価格上昇
仕切り上昇分転嫁、底上げへ

05月30日付ヘッドライン

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■新会長に荒井喜和氏 道油政連が通常総会
■難局乗り切りへ結束 4石協が通常総会
■地域密着を武器に油外の売上増目指す 道エネチャレンジ栄町
■油外増販へ「こまめな案内」徹底 奥田管理浦河SS