原油・天然ガスの需給および価格見通し
2015.12.7
原油・天然ガス価格は12年から13年にかけてほぼ同じ水準で推移

 昨年は原油の値動きは近年で最も小さい年でした。NYMEXの原油先物の期近価格は、引け値ベースの高値が1バレル当たり111ドル、安値が87ドル、かい離は1・28倍と小幅な値動きとなりました。ちなみに過去最大のかい離率は147ドルの最高値を記録した08年の4・29倍で、2012年は1・41倍でした。一方、ICEの北海ブレント原油先物の期近価格は、高値が119ドル、安値が98ドル、かい離率は1・22倍とさらに小さく、中東産のドバイ原油やオマーン原油の現物価格は90ドル台後半から110ドル台前半の狭いレンジで推移しました。


 天然ガスの価格は、地域によって方向性にばらつきが見られました。北米では、前年に比べると上昇しましたが、依然、シェールガスの増産によって供給過多状態が続いていましたので、他地域や他のエネルギーに比べて著しく割安な価格で取引されていました。なお、NYMEXの天然ガス先物の期近価格の平均値は2012年の100万BTU(英国熱量単位)当たり2・73ドルから3・73ドルに1・00ドル上昇しました。一方、欧州では、需給の緩和を反映してやや値下がりしました。アジアでは、天然ガス需要の相当部分をLNGの輸入によって賄っており、また、LNGを原油価格にリンクした価格で調達しているケースが多いため、前年と大差はありませんでした。

原油・天然ガスの需要増は北米での増産でほぼカバーされている

 新興国及び発展途上国における人口の増加や社会・生活水準の高度化、OECD諸国の景気回復による工業用・輸送用需要の増加などによって、今年は、昨年に比べると、エネルギー需要の伸びが高まると予想されますが、天然ガスへの需要シフト、日本における発電用燃料需要の減少などが減殺し、世界の石油需要は、昨年、今年ともに年率1%程度の伸びにとどまる見通しです。

 なお、IEA(国際エネルギー機関)は、昨年12月時点で、世界の石油需要を12年実績の日量8998万バレルに対し、13年は9117万バレル、14年は9237万バレルと予想しています。

 天然ガスの需要は、北米で、発電用の増加に加え、天然ガスを燃料にした化学プラントの増強が進められているため化学原料用も増加すると予想されます。また、世界的な石油・石炭からの需要シフト、景気回復による需要の押し上げなども予想されますので、日本で発電用燃料需要が減少すると予想されるものの、世界全体では年率3%程度増加すると見込まれます。

 供給面では、シェールオイル(タイトオイル)、シェールガス、オイルサンドなど非在来型原油・天然ガスの生産が拡大している北米で原油、天然ガスの世界の需要増分をほぼカバーする状況が続く見通しです。

 このような状況から、大きな生産・輸送障害が起きない限り、今年も、原油、天然ガスともに需給が引き締まる可能性は低いと考えられます。
 
14年の原油相場は前年並みのレンジでの推移を予想、天然ガスは地域間でばらつきが生じる見込み

 昨年は、需給だけからすると原油価格は下落してもおかしくありませんでしたが、中東やアフリカの複数の産油国における政情の悪化や地政学リスクの高まり、政情が悪化している南スーダンやシリアにおける原油生産量の減少、過剰流動性(金余り)などが下支えしていたと考えられます。

 当面、政情が悪化している中東やアフリカの一部産油国の情勢が改善するとは思えませんし、過剰流動性による押し上げ要因も続くと予想されますので、今年の原油相場は、昨年とほぼ同じ水準(WTI原油85~110ドル、ブレント原油95~120ドル、中東産原油95~115ドル)で推移すると予想されます。ただし、為替が円安になっていますので、円ベースでの価格は前年に比べて上昇する見通しです。

 天然ガス相場は、昨年同様に地域によってばらつきが生じる見込みです。北米では、発電用に加えて化学原料用の需要が増加する見通しですので、シェールガスの増産は続く見込みですが、需給は徐々に引き締まっていくと予想されます。このため、北米の天然ガス価格は100万BTU当たり0・5~1ドル程度上昇する見通しです。一方、LNGは、日本の輸入量の減少などによって国際需給が緩んでスポット取引価格が低下すると見込まれますから、アジアおよび欧州の天然ガス調達価格はやや低下すると予想されます。これにより価格差が縮まるものの、北米と他地域の天然ガス価格の差が大幅に縮小する可能性は低いと考えられます。


北海道のガソリン価格予想
3月30日(月)から4月5日(日)まで
変わらず
緊急的激変緩和補助金で価格維持か

03月30日付ヘッドライン

■灯油商戦「まあまあ」で推移 最終盤で異常事態に直面
■系列外にも製品供給を エネ庁が元売などに要請
■自主廃業、倒産が増加 中央会が昨年の実態を調査
■石油業界の収益環境は2~3年内に悪化の可能性 戦略特集
■好調洗車に加えタイヤにも注力 キタセキ札幌新川SS