機能低下著しい高齢者
SSでも十分な配慮を
2016.10.25
 6年前の光景。白髪の老女が何度も反動をつけてタクシーから降りようとしているのだが、上体が起き上がらない。タクシーを縁石ぎりぎりに横付けしているから、足を車道側に降ろせないため膝に力が入らないのだろう。狭い車内で杖を何度も持ちかえては体勢を変え「脱出」を図ろうとするが、焦りと苛立ちで顔は紅潮するばかりだ。

 乗客側ドアの前では、制帽を小脇に抱えた運転手が視線を反らしてお辞儀ポーズのまま彼女が降り立つのを待っている。手を差し伸べようともせずに。

 運転可能世代が高齢化しつつある現代、ドライブウェーでも同じような事態が起きているかもしれない。例えば耳が遠い高齢ドライバーが来店した時、そうとは知らずに甲高く早口で話しかけていないか。問いかけに対する返事が遅かったり、スタッフに度々聞き返す、または困惑した表情を示す場合も難聴の可能性があるだろう。

 耳が遠い人への語りかけ方にはコツがあると、知人のベテランケアマネージャーは言う。意外かもしれないが、難聴者にとって高音は聞き取りづらいそうだ。やや低音でゆったり話しかけ、内容に応じて適度に間を空ける方が聞き取りやすいという。高齢者にとっては冷たく感じる標準語より、少しくだけた「北海道弁」を随所に取り入れた方がより親近度が増すとも話す。

 相手の立場に立って行動することは想像以上に難しいが、その先にある深い信頼関係はかけがえのない財産になるはず。    (德)


北海道のガソリン価格予想
9月8日(月)から9月14日(日)まで
変わらず
先週末値上げ

09月10日付掲載予定

■12市が改定見送る、ガソリンは多くが値上げ 道内35市燃料油納入価格
■増販への努力結実 夏商戦「意外に良かった」
■道内中小認定率2.42% 事業継続力強化計画
■影響あり漸減92.2% 道が原油・原材料価格高騰で調査
■「徐々」より「劇的」な拡販模索 中和石油セルフ簾舞