◎…特約店幹部は「販社は体力を背景にメンテ収益アップに全力投球するところが多いが、経営体質が強くない販売店などでは地元密着カラーを打ち出して収益向上に取り組まなければならないため、支援策のひとつとして直営ＳＳの店長だけでなく、販売店ＳＳをも対象にした研修会を積極的に開くことが欠かせない」と強調する。

　今、販売最前線のＳＳ店頭では車検商戦が真っ盛り。車検顧客はもとよりオイル交換をはじめとしたメンテにターゲットを絞った動きが活発になっており、カーディーラーとの競争激化の様相が強まっている。


　◎…中堅特約店幹部は語る。
　「春商戦を意識してＳＳの受け入れ体制の見直し、再構築を図っている。定期的に開く店長会議では各マネージャーから自分のＳＳにとって何が欠けているのか、何が強みなのかを報告してもらっており、その対応策についてもメンテ市場での勝ち残りを目指した戦略を着々と進めている」

　「周辺のカーディーラーに対抗するため、技術力アップに取り組むよう指示を出した」　

　「販売店ＳＳと一体となった戦略づくりを終えており、３月商戦では実践と成果を求めることになる」。


　◎…特約店関係者からは新年度入り後も人手不足が深刻化することは避けられないだろうとの声が聞かれる。人手不足は系列特約店の経営動向を大きく左右する問題。ある特約店主は「元売―特約店―販売店の連携強化で解決しなければならない」と語る。人手不足はＳＳ業界だけに限った問題ではない。外食、小売り業界、さらには多くの業界にまで影響を与えている。「大手デパートが業況悪化、これに人手不足が加わって営業時間を短縮した。ＳＳ業界でも営業時間の見直しなどで少しでも人手不足を解消したいという動きが見られているが、解決策にはつながらない」と語る関係者も多い。

　中堅特約店幹部は「本格的な春商戦を前にやっと手当てができたアルバイトが、ほかに条件のいい勤務先や他業種に流出したという話が仲間うちから聞かれる。アルバイトは事務職かコンビニなどを選ぶという傾向も定着し、人手不足が解消されないまま新年度入りを迎えようとしている」と不安感を強める。