地上の「若き星」たちよ
志は高く心は低くあれ
2017.3.25
 道北、真夜中の峠道。奥行きのない漆黒の雑木林を抜けると、いきなり天空が煌めき出した。星と星とのわずかな隙間も光が溢れ、あるいは重なり合って無窮の宙に踊る。闇の呪縛から解放された瞬間、かつて倉本聰氏が率いた富良野塾にまつわる光景が浮かび上がった。

 若き塾生たちが高倉健主演の撮影現場を見学した時のこと。憧れの眼差しで見つめる彼らに気づいた氏が取った行動は、無視を決め込んでの素通りでも、一般見物客に対する歩きながらの会釈でもない。礼儀作法に則った歩みを止めての恭しいお辞儀だった。

 上下関係が厳しいとされる芸能界で、どんな相手にも低き心で向き合うトップスターの姿に、敬愛すべき究極の人間性を見出した塾生もいたのではないか。芸能界に人脈を持つ知人から聞いたエピソードだ。

 時は春。昨年入社した若者たちも間もなく季節を一巡する。上司からの叱責や顧客からの苦情、組織内でのコミュニケーション不足などに苦しんだ灰色の1年間だったかもしれない。思い余って転職を考えたかもしれない。しかし、道内のある企業創業者は「自らマーケットを生み出し、そのマーケットの中でシェアを取る」ことに一意専心し斯界にその名を轟かせた。

 現在地を変えずとも、敬愛すべき究極の人間性を真剣に追求すれば、必ずシェア(評価)を勝ち取ることはできる。低きに流れる水の如く、低き心には無限の恵みが注ぎ込む。それをエネルギーに、地上の星たれ。  (德)


北海道のガソリン価格予想
7月14日(月)から7月20日(日)まで
価格上昇
上昇のあと、徐々に下げ方向で

07月15日付ヘッドライン

■札幌に水素を供給 製造や輸送など検討へ 推進協議会が初会合
■脱炭素に省エネ不可欠 伊藤忠エネクスがウェビナー
■「分解整備」の技能習得 札石燃協・札危協が技術研修会
■サービス好評、ドラスルに勢い AIXセルフ西岡SS
■アピール強めタイヤ拡販 東日本宇佐美羊ケ丘ニュータウンSS