誰もが通り過ぎた幼少時代。大人から「大きくなったら何になりたい？」と問われた経験はなかろうか。

　子ども達の夢は時代とともに変遷。長らく上位だったプロ野球選手はサッカーに取って代わって、少数だが、ネット上に公開した自作の動画閲覧数に応じ支払われる広告料などで生計を立てる「ユーチューバー」を夢見る子どもがいることに唖然とした。

　大人になってから描く夢、とりわけ組織の中で描く夢（目標）の実現には他者が関係し、カギとなる「共有」が上手くいかず、実現しないことが往々にしてあるそうだ。

　あるコラムの見解だが、夢を語る側は「どうせなら大きな夢を」と思い、語られる側は「叶えられるはずがない」と考え、やる気を喪失することが多いそう。これを「夢は叶う」に変化させるには、大きな夢を一足飛びではなく段階を踏んで提示すること、もしくは「ストレッチ目標」と呼ばれる程よい大きさの叶えられる内容にすると同時に、夢の内容から推し量ることの難しい「なぜ？」を伝えることだとしている。子どもが夢を叶えられない理由を知り、納得して変えることになぞらえれば自明だ。また、本来は目標であるべき夢が目的を達成する手段に変化し、他人を幸せにするという前提が欠如していることも、叶わない理由のひとつとして挙げている。

　子どもの語る夢が、周囲を幸せにするものであったように、同じ夢であるなら、大人になってからの夢もそうあるべきだろう。　　　　　（蔵）