よく利用するコンビニでの出来事。ほかには誰も利用客がいなかったため、レジの前に立ったとき、裏の事務室から男性店員が出てきた。商品１つをスキャンしてお金を受け取れば終わるはずが、カウンター周りを整理し始めて放置された。後日、スーパーで買い物をする男性店員に遭遇し「彼がレジで同じ行為をされたらどうなるだろう」と考えた。

　もしも、彼がその行為を許すならば感覚の違いなのだろうが、一般的に許されない行為であることは自明。許せないのであれば「自分に甘く他人に厳しい」ことの現れで、仕事以前に日常生活において許されないだろう。「自分がされてイヤなことを他人にしない」という人間としての「基本中の基本」とも言い換えられる。

　ＳＳ業界も含めた各業界ではマニュアルによる接客技術の徹底に加え、顧客満足度向上の研修も実施している。取材で研修に同席した際は受講者としても拝聴し、個人的にも知識を習得できる有意義な時間となっている。

　とある講習の休憩中、狭い場所で若い受講者の一人とすれ違うこととなり、交わした会釈と笑顔に希望を感じたのだが、その直後、若い受講者たちを指導する立場の出席者が講師以上の音量で情報交換をし始めた。個人的には邪魔だと、仕事的には不安と怒りを感じた。

　その講義は初級者に向けたもの。説明の理解は言うに及ばないが、それ以前に立場や年齢を問わず人間としての「基本中の基本」の習得が不可欠だろうと実感した。（蔵）