猛暑特需 安易な期待禁物
顧客・従業員満足が先決
2017.8.20
 ◎…今年の夏は例年と比べて暑さが厳しい。そうした中で「酷暑の様相だが、これが8月商戦の追い風になってくれればいい」との思い、いや願いを抱く業界関係者が多い。暑さに比例してガソリンの販売数量が伸びるということが過去にも多く、これが期待感を強くさせているようだ。いわば「暑さ、酷暑歓迎」といったところだろう。

 ◎…暑さでドライブ需要が増える、そしてエアコンの使用頻度が高まれば燃費低下で1台当たりの油量が増える、というのが定説で、過去に猛暑特需の恩恵を受けた給油所関係者は多い。このため暑くなればなるほど期待感が膨らむというのも無理からぬところ。

 ◎…しかし安易な期待は禁物。販売子会社をはじめ量販店の店頭価格や会員特価に価格対抗すればするほど損売になってしまう。また、最近はハイブリッドカーなど低燃費自動車の普及もあって、暑さ、猛暑イコールガソリンの販売量が伸びる、という思い込みは回避しなければならない。さらに思ったほどに数量が伸びないと足下のコストを度外視した数量志向を招きかねない。数量がある程度伸びても採算割れ販売では豊作貧乏ということになってしまい、商道の基本に反するものだ、と戒める関係者もいる。

 ◎…猛暑、酷暑が続けばスタッフの健康管理も大きな課題になる。フルサービスはもとよりセルフサービスでも照り返しで体感温度は想像以上になる。店頭スタッフの疲労も限界といった場面になる。人手不足の中で確保した貴重な人財。スタッフの健康、体調管理は「正に従業員満足の基本」とも言われている。

 ◎…8月商戦は、店頭での顧客満足、そして従業員満足の両輪を確立することが不可欠だ。さらに猛暑特需への期待は少し割り引きながら「採算販売→損売回避」など様々な夏休みの宿題をやらなければならない。暑くなればガソリンの販売量が伸びるというのではなく「暑くなればなるほど儲かる→収益改善につながる」という意識が欠かせない。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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■「まずは技術力磨け」 HNCが勝ち組SS応援セミナー
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■LINEでショップカード 道エネチャレンジ西野3条SS
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