環境改善への期待強まる
精製能力削減など後押し
2017.9.15
 ◎…カラスが鳴かない日はあっても安売り、廉売がない日はない―と言われる給油所業界。最近はちょっと様相が変わりつつあるようだ。

 ある特約店会長は「今年3月末にエネルギー供給構造高度化法によって元売は精製能力を削減した。さらにJXTGが今年4月にスタート。その結果、需給環境が整い、適正な利幅を得る流れになりつつある」と話す。ただ「競争環境が改善の兆しを見せるのに合わせ、利幅重視の商売に期待がかかるが、地域的な価格競争が散見されており、利幅重視の商いには今ひとつというところがある」とも付け加える

 ◎…採算度外視の安売り商法からの脱却が今の課題のひとつ。確かに元売統合や精製能力削減は、業界の悪弊ともなっている安売り、廉売競争の環境改善の足掛かり材料だ。一方で今夏は天候不順の地域が多く、東北地方や関東地方では記録的な雨模様が続き、これが店頭のガソリン販売の災い材料になったと話す業界関係者も少なくない。「夏は暑く、冬は寒いという方程式がガソリン、灯油の販売に欠かせない」と呟く特約店主。ガソリン販売不振となれば、年度上期末の9月商売で再び価格競争、数量志向による帳尻商いという悪弊を招きかねないと、先行きへの不安感を口にする関係者もいる。

 ◎…先行きへの不安材料といえば将来的な電気自動車の普及。世界的に2040年代にガソリン車の販売禁止の動きが強まっている。将来的に、こうした動きはガソリン需要の重荷になりかねない。元売はナフサなどの石油化学需要の先取りを見せている。2020東京オリンピックまでは工事需要で軽油販売の好調が見込まれている。しかし、昭和39年の東京オリンピックでは翌年以降、オリンピック特需の反動で景気が低迷、企業倒産が相次いだことを実体感した業界関係者は少ない。「上り坂、下り坂、そして、まさか、という例えがあるが、2020東京オリンピックに過度の期待を寄せるのは危険」といったところだ。


北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付掲載予定

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