「石油危機」上回る厳しさ
採算販売不可欠 秋の陣
2017.10.25
 ◎…今、給油所、元売など精販一体で「満タン&灯油プラス1缶」運動が全国的に展開されている。2011年の東日本大震災における供給騒動を教訓とした災害時対策のひとつと言われる。東日本大震災前、ガソリンをはじめとする石油製品は値上げ基調で、給油客の多くは節約志向を強めていた。

しかし、東日本大震災を機に給油所に満タン客が殺到したことが供給トラブルの誘因材料になった。こうした災害時でのトラブルを未然に防ぐ意味からも「満タン&1缶」運動が必要だと言うことなのだろう。

 ◎…「東日本大震災以前の供給トラブルと言えばオイルショック。1973年10月6日、中東紛争を機に産油国が日本などへの原油輸出数量を大幅に削減するとともに、原油価格を値上げすることによりパニックを招いた第一次石油危機が発生。あれから44年の歳月を経た。当時、販売最前線の給油所店頭に立った関係者、そしてその危機を肌で感じた元売関係者は数少なくなった」と前置きして語るのはある特約店の会長だ。

 ◎…「当時は相次ぐ値上げで給油所業界に対する風当たりは語ることができないくらいに強かった。価格転嫁はもとより安定供給に追われたことを思い出す。あれから半世紀近く過ぎたが、災害時対応策としての満タンプラス1缶をテーマにした促進活動は欠かすことはできない。しかし、半世紀近くを経た今、給油所のみならず石油業界を取り巻く環境は、当時では想定できないくらいに厳しい局面だ」と話す。

 ◎…石油製品の需要減少が加速、1980年代に主要13社を数えた元売会社はJXTG、出光興産・昭和シェル、コスモ石油の3グループに再編され、給油所数も年々減少している。業界はオイルショック当時には想像もできなかったほど変化している。電気自動車や低燃費自動車などの普及が加速しており、先行きへの不安も募るが、「厳しい局面だからこそ採算販売に徹し、10月、11月の秋商戦では、衆議院総選挙の政党支持率を例えに給油客からの支持率を得て生き残り、勝ち残りを目指さなければならない」と気を引き締める関係者も多い。


北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付掲載予定

■「採算販売」最優先に 北石連・商理事会が総会提出議案承認
■「まずは技術力磨け」 HNCが勝ち組SS応援セミナー
■基本方針への準拠求める 官公需で経産省が都道府県知事に要請
■LINEでショップカード 道エネチャレンジ西野3条SS
■油販増大へ集客策次々 東日本宇佐美セルフ山の手通宮ノ丘SS