今年6月1日、胆振石協事務局長に就任した後藤健二氏。
多くの人が長きにわたって企業に勤め、定年を迎えたあと「悠々自適」の生活を理想像として描くが、その考えとは逆に「70歳まで働き続けたい」とかねがね思っていたそう。
仲の良い友人が遠方に居住していることもあって退職後の「毎日が日曜日」の生活を持て余し、自身の老化を早めてしまうのではないかという危惧を振り払うかのように「一番の趣味は仕事」と力強く話す。
そのような折、これまで積み重ねてきたキャリアなどから舞い込んできたという胆振石協事務局長就任への打診。元来の思いや未来予想図と合わせて「これまで勤めてきた石油業界であれば、自身の知識を活かせる」と考え受諾した。
就任の打診があった当時は、札幌に単身赴任していたそうで「地元の出身とはいえ、現地で生活していない自分に打診してくれたことが非常に嬉しかった」と述懐する。
事務局長の職務を開始して3カ月。腐心しているのは「赤字を出さずに組合を運営していくこと」だと笑っても見せた。
栗林石油時代は、ターゲットを絞って顧客を増やし、売上を伸ばしていたそうだが、組合では人口減少に伴う統合で減り続ける学校などを相手にした、官公需での収益確保の難しさを感じているという。
また、暖房用として灯油が最も多く使用される「この時期の売上が組合経営を左右する」という初めての冬が間もなく到来する。「組合の仕事は、経験こそがすべて」とする後藤局長、正念場もきっと乗り越えていくに違いない。
ごとう・けんじ=昭和27年(1952年)11月11日生まれ。室蘭市出身。46年に栗林石油に入社。販売畑を長く勤め、室蘭支店長などを歴任。プライベートでの趣味は、奥さんと一緒に日本野鳥の会に加入し、室蘭周辺の湿原や湖などでフィールドワークをするというバードウォッチング。