「安値競争」は慎むべき
データが語る非常事態
2018.4.20
 東京商工リサーチの発表によると、2017年度の企業倒産(負債総額1000万円以上)は、全国で8367件。前年度比0・16%減とほぼ横ばいながら、9年連続で前年を下回り、件数としても1990年度(7157件)以来、27年ぶりの低水準となった。中小企業のリスケ要請に金融機関が積極的に対応しているほか、上向きな景況も影響したと言われるが、注目したいのは倒産企業の約7割が売上げの減少に伴う「減収」を主因としており、しかもその半数近くが黒字倒産だったこと。

 景気拡大の波に乗れなかったと言えばそれまでだが、国内景気を牽引するのは大手企業で、中小・零細企業の業績改善ペースは依然として鈍く、余裕のない経営が続いていることを改めて浮き彫りにしたとも言えそうだ。

 本道石油販売業に目を転じれば、その多くが中小・零細、さらには低燃費車の急速な普及や都市ガスの攻勢による燃料転換などから需要の減退に直面しており、まさにその図式とぴったり符合する。昨年夏以降、需給のタイト化などから収益環境が改善し、今期決算を無難に乗り切る販売業者が多いとも聞くが、安閑としていられない状況が続いていることは自明。

 本道における石油販売業の位置付けは、他都府県に比べ極めて重い。これ以上の販売事業者減少は産業、生活のみならず、本道の未来にも大きな影響を与える。収益を細らす不毛な「安値競争」は厳に慎むべきだ、前述のデータはそうも語る。  (W)


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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