日本人の誰もが知っていると言っても過言ではない清涼飲料水のコカ・コーラとファンタに、フローズンタイプが加わった。既存の商品をベースに、ギリギリまで凍らせてシャーベット状にしたものだ。

　一般的には「禁じ手」なので、自己責任だが、ネット上では激しく振ったペットボトルのコーラを３時間ほど冷凍し、グラスに注ぐと瞬時にシャーベット状になり、違う食感が楽しめるという情報が広まっていた。

　これは「過冷却」と呼ばれる現象で、凍結温度（凝固点）以下で固まらずに、注いだ衝撃で初めて固まるもの。残念ながら道内では未発売だが、メーカーが同じ状態で提供できる装置をつくり、限定商品として販売している。

　ほかにも、単品で成立する料理や食品を２つ以上合わせてつくる「アレンジレシピ」も広まっている。「ズボラ飯」という別名もあるこの料理、例えば、インスタントラーメンの残ったスープにご飯とチーズを混ぜてオーブンで焼くとドリアに、レンジでチンするとリゾットに変わるなど、ユーザー発信によるレシピが多数存在する。

　これらは、商品を「１粒で２度美味しく」楽しみたいというユーザーの探求心が生み出したもの。前に道南のファストフード店会長が「既存商品のコラボやアレンジで、確実な商品開発ができる」と講演で話していたことを思い出した。実績を持つ商品のアレンジやコラボで初期投資を抑え、新たな商機にすることもひとつの方法ではないだろうか。　　　（蔵）