◎…給油所店頭も本格的夏商戦に突入した。原油価格が高値水準で仕切りも高基調での夏商戦はどういった展開になるのだろうか。夏商戦を前に給油所スタッフらを対象とした各種研修会を開き準備万端、商戦に挑む特約店関係者が多い。

　◎…今年の研修会に共通しているのは「収益向上―現場力」。「店頭スタッフの接客力、技術力が顧客からの信頼回復につながり、結果的に増収、増販で収益向上という道筋になる」と語る特約店幹部。

　◎…油外販売は収益向上に欠かせない商材。新車販売が伸び悩むカーディーラーは点検整備の囲い込みに向けてオイルのキープシステム、点検パック、さらにはコーティング洗車など給油所を意識したサービス体制で夏商戦に挑むケースが顕著になっている。コインパーキング関連業種はカーシェアリングを旗印に鼻息が荒い。カー用品業界もカーメンテナンス収益向上を目指しており、今夏商戦は異業種との油外商戦が激化する気配が強まっている。

　◎…出光興産と昭和シェル石油の経営統合に創業家が歩み寄りを示し来年４月の統合が決まったことで、元売３グループ時代が到来する前の最後の夏商戦。「仕切り高止まりの中、足元のコストを転嫁する姿勢が欠かせない。数量を伸ばすのか、それとも収益力を伸ばすのかの選択。事後調整が期待できない中で、収益力増進を選ぶのは当然」と語る特約店主。今夏商戦で商道精神をフルに発揮したいとも強調する。

　◎…また、今夏商戦は顧客満足とともに従業員満足も問われている。人手不足の中で確保したアルバイトスタッフなどへの体調管理策を万全にした勤務シフトづくりも欠かせない。そして先の西日本豪雨災害などを教訓に、地域の安心、安全を前提にライフラインの雄を目指した地域密着の経営姿勢で夏商戦に挑む給油所関係者は多い。