◎…今年も残すところあと１カ月余り。ＳＳ店頭は１２月・師走商戦モードに突入する。ある特約店主は「今年の師走商戦はいつもと異なる」と見る。 「これまで続いたガソリン高値基調を背景に来店客の限定給油、さらには消費節約志向でオイルをはじめとするカーメンテナンス販売に少なからず影響があるのではないか」と不安がる特約店関係者もいる。また「元売３グループ時代の中で需要に見合った供給体制になっていると言われながらも、コストコなどの異業種旋風、これに価格対抗する周辺給油所との対決構図が依然として散見されており、需給のベストマッチには至らない」との声も聞かれている。

　◎…さらに深刻なのは人手不足。「今年の夏商戦でも思うようにスタッフを確保できなかった。師走商戦でも状況は変わらず、より深刻な問題になっている」と頭を抱える特約店幹部も多い。

　◎…元売子会社、特約店、販売店の共通課題になっている人手不足。「元売には系列特約店や販売店の人手不足解消に向けた支援措置を取ってほしい」と声高に訴える特約店関係者もいる。 「元売でホームページなどによる人員募集を行い、特約店や販売店に斡旋してもいいのではないか」 「外国人労働者を確保できるかどうか業界が一体となって検証するべき場面を迎えている」など、師走商戦を控えて人手不足が悩ましい問題になっており、人手確保が師走商戦はもとより今後の経営を大きく左右するとの認識が強まっている。

　◎…こうした中で、元売会社の中には「ＳＳネットワークを維持するため、減少する収益を補う新サービスの導入や多機能化を進める」との方針を示すところもある。元売が主導するカーリース、ＳＳを核にした異業種店舗、サービス付帯などの来年のＳＳ戦略について「大胆な、新たな店舗戦略を期待したい」との声も聞かれている。