「マージン重視」不可避
SS経営の今後を左右
2018.12.15
 ◎…今年もあと1カ月を切った。SS店頭はクリスマス、師走商戦モードまっさかりだ。昨年4月にJXTGがスタートし、そして来年4月には出光興産と昭和シェル石油との統合新会社が誕生する。元売はコスモ石油を加えた3グループ時代を迎える。平成もあとわずかとなる中で「再編効果もあって元売決算は増収増益の好業績。系列業者の経営改善も進展しているが、この師走商戦をどう乗り切るかが大きなカギ」とつぶやく特約店社長も少なくない。

 ◎…今年は秋まで元売仕切り価格の上昇に伴うコスト転嫁に追われてきたが、店頭価格への満額転嫁はできなかった。その後、原油相場をめぐる環境が一変し、仕切り下げ局面を迎えたが、店頭価格の先取り値下げという悪癖を断つことが課題。原油相場、仕切り動向を見極めた商いが、師走商戦で試されている。

 ◎…「元売決算は好調と伝えられるが、系列業者の決算は、元売と同じような増益には至っていない」との声もある。そこで「足元の仕切りを前提にした採算販売を師走商戦で徹底することこそが肝要だ」と緊張感を強める特約店関係者。

 ◎…元売再編によってガソリン需給は引き締まり、系列回帰が加速している昨今の業界事情。

 ◎…「SS経営を続けていくためには15円マージンでも足りない」と語る特約店社長は意外に多い。その背景のひとつに常態化する人手不足がある。人手確保、設備への再投資が欠かせず、そのためにもマージンアップのための商いが求められているということ。ある特約店社長は「師走商戦で足元のコストを前提にした採販姿勢を強めることができるかどうか。今後のSS経営の行方を大きく左右する局面だ」と店長会議で徹底したという。

 ◎…残りわずかとなった2018年。師走商戦は再投資可能な商い、マージンアップが大きなキーワードとなる。業界の悪癖ともされる店頭価格の先取り値下げ合戦を回避できるかどうか、それが大きな気がかりとなっている。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

■「採算販売」最優先に 北石連・商理事会が総会提出議案承認
■「まずは技術力磨け」 HNCが勝ち組SS応援セミナー
■基本方針への準拠求める 官公需で経産省が都道府県知事に要請
■LINEでショップカード 道エネチャレンジ西野3条SS
■油販増大へ集客策次々 東日本宇佐美セルフ山の手通宮ノ丘SS