記録的な暖かさが続き商戦も一気に終盤へ
3月に入って記録的な暖かさが続き、雪解けが一気に進んだ本道。下旬になり寒波の呼び戻しもあったが、今冬灯油商戦は早くも「店じまい」の様相を呈する。これまでの商戦を振り返れば、暖冬で販量を10%以上落としたが、おしなべて20円前後の口銭を確保したことから「質×量」ではまずまずといったところ。ただ、都市ガスなどの攻勢もあり、需要防衛に向けた取り組みが喫緊の課題であることを改めて浮き彫りにさせた商戦とも言えそうだ。
需給の引き締まりなどからガソリンなど自燃油の収益環境は改善されたまま推移したが、道内石油販売業者にとって灯油が「命綱」である構図はこれまでと変わらず、今冬灯油商戦への期待も当然ながら大きかった。
ところが蓋を開けてみると、10、11月は記録的な暖冬もよう。例年なら10月下旬となる初雪も大幅に遅れたことからロードヒーティングも稼動せず、灯油需要は例年の8割前後と、しぼんだままで推移した。
やっと12月も末になって冬型の気圧配置が強まり、また、1月下旬から2月上旬にかけては40年ぶりとも言われる寒波が本道を包み込んで需要を押し上げたが、3月には再び陽気が戻るなど、販量は総じて「10%以上の落ち込み」となった。
一方、100円前後でシーズンインした灯油価格は、12月以降値を下げ続けたものの、世界的な在庫増に伴う原油価格の下落を背景として口銭は拡大。一時的ながら20円を大きく超すなど「潤沢な商い」を担保した。
そうしたことで商戦を振り返れば「質×量」でわずかながらも例年を上回るなど、まずまずといったところ。ある販売業者は「欲を言えば、もう少し量がほしかった」と話すが、その表情は決して暗くない。
ただ、暖冬の影響もさることながら、都市ガスなどの攻勢による灯油需要の減退がこれまで以上に鮮明となったのも今冬商戦の特徴。需要の防衛に向けた取り組みが喫緊の課題であることを改めて浮き彫りにさせた商戦だった、とも総括できそうだ。
北海道のガソリン価格予想
12月22日(月)から12月28日(日)まで
価格下降
下げ傾向続く
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