燃油輸送で冬期訓練
全道域の「停電」も想定
2019.3.20

苫小牧オイルターミナルでガソリンと軽油を充填
 北海道経済産業局と陸上自衛隊北部方面隊は12、13日の両日、道央圏での大地震と道内全域の停電を想定した「災害時燃料供給合同支援訓練」を展開。苫小牧埠頭苫小牧オイルターミナルでの自衛隊車両への燃料油充填から手稲渓仁会病院などでの荷卸しを通し、輸送手順を確認するとともに課題を洗い出した。胆振東部地震の経験を踏まえた実践的な訓練を展開した。

 平成23年3月に発生した東日本大震災では、石油製品の輸送、供給が多くの被災地で滞り、救助や復旧活動に支障をきたす状況が出現。資源エネルギー庁から要請を受けた自衛隊がドラム缶に詰めた軽油などを被災地に搬送し、供給を支援したが、調整すべき課題が浮き彫りになった。

 また、平成28年4月のの熊本地震では、元売各社による「災害時石油供給連携計画」が初めて発動され、一定の成果が見られたものの、石油インフラの被災が自衛隊などの人命救助活動に必要な燃料油確保に影響を与える可能性が改めて認識されたことから、資源エネルギー庁と防衛省は、災害発生時における燃料油供給ノウハウのさらなる拡充を図るため、全国各地で合同訓練を実施している。

 本道では、北部方面隊が平成27年8月に展開した災害対応演習「ノーザンレスキュー」に合わせて行ったのが最初。30年度は9月の胆振東部地震の発生で夏期訓練が中止となり、今回が夏冬合わせて7回目、冬に限れば3回目となる。

 胆振東部地震発生の際には、冬季間だった場合の被害拡大などが指摘されており、今回は道央圏での大地震発生、道内全域の停電を想定した訓練を展開した。

 初日、北部方面隊が苫小牧埠頭苫小牧オイルターミナルで、非常用発電機を稼働させ供給用電力を確保しながら6kl燃料タンク車1台にガソリンと軽油、大型トラックの200㍑ドラム缶14本にA重油とジェット燃料油を充填。

 そのあと災害時重点施設である札幌市内の手稲渓仁会病院で、北海道電力が所有する非常用電源車に燃料タンク車から軽油を給油して電源を確保するとともに、ドラム缶で搬送したジェット燃料油を荷卸し。受領した病院側が軽トラックでドラム缶をドクターヘリ燃料供給施設まで運搬し、燃料供給ポンプを稼働させてヘリコプターに給油するまでの訓練を行った。

 翌日には、札幌市内の北海道エネルギー新川西SSの地下タンクに燃料タンク車がガソリンと軽油を給油。札幌市水道局白川浄水場でも、トラック積載のA重油入りドラム缶を荷卸しした。

 訓練を見守った道経産局の牧野剛局長は「訓練をやることで不具合などが分かる。やって良かった」と感想を述べた。

ドラム缶のA重油とジェット燃料をトラックに積み込み

ドラム缶で持ち込んだ ジェット燃料油を給油


北海道のガソリン価格予想
4月15日(月)から4月21日(日)まで
価格上昇
値戻し後に値下げも

04月20日付ヘッドライン

■広がる困惑、失望感 対量販構図変わらず 札幌市場
■昨年度、減少に転じ17件 危険物取扱者の違反行為
■3月決算組「まずまず」 収益環境の良化が支える
■消費、供給ともに減少 2022年度エネルギー需給実績
■42%が「月に1回以上」 GfKJapanが洗車で調査