厳寒期の輸送に挑む
地震発生を想定し訓練
2018.2.20

出光興産北海道製油所での燃料タンク車への充填
 北海道経済産業局と陸上自衛隊北部方面隊は7、8日の両日、札幌直下型地震の発生を想定した「災害時燃料供給合同支援訓練」を展開。出光興産北海道製油所での自衛隊車両への燃料油充填(模擬)から市立札幌病院、北海道警察本部での荷卸しまでを通して課題の洗い出しや輸送手順の確認・確立を目指した。厳寒期の訓練は昨年2月に続き2回目、夏冬合わせれば6回目となり、今回も出光興産のほか北石連、北海道電力などが全面協力した。

 平成23年3月に発生した東日本大震災では、石油製品の輸送、供給が困難となり、救助、復旧活動に支障をきたした地域が多数出現。その際、資源エネルギー庁から要請を受けた自衛隊がドラム缶に詰めた軽油などを被災地に搬送し、供給を支援したが、調整すべき様々な課題が浮き彫りになった。

 また、一昨年4月の熊本地震では、元売各社による「災害時石油供給連携計画」が初めて発動され、一定の成果が見られたものの、石油インフラの被災が自衛隊の人命救助活動に必要な燃料油確保に影響を与える可能性が改めて認識されたことから、資源エネルギー庁と防衛省は、災害発生時における燃料油供給ノウハウのさらなる拡充を図るため、全国各地で合同訓練を実施している。

 本道では、北部方面隊が平成27年8月に展開した災害対応演習「ノーザンレスキュー」に合わせて行ったのが最初で、以降、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の発生を想定した稚内から釧路までの訓練などを実施しており、今回が夏冬合わせて6回目、冬に限れば2回目となる。

 札幌直下型地震の発生により、民間の輸送力だけでは燃料油を災害時重要施設に供給することが困難な場合を想定した今回の訓練には、これまでの部隊とは異なる第11後方支援隊補給中隊が出動。初日、出光興産北海道製油所で給油口の口径なども確認しながら6kl燃料タンク車2台と大型トラックの肉厚200㍑ドラム缶18本に、自衛隊自ら使用する分も含めたガソリンや軽油、灯油を充填(模擬)し、軽油の荷卸し地である札幌を目指した。

 翌2日目には、災害時重点施設である市立札幌病院で、北海道電力が所有する非常用電源車に軽油を給油。訓練の一環として出光陸上輸送協力会会員が運び込んだ重油も同病院と北海道警察本部に荷卸しした。

ドラム缶へのガソリンや軽油などの充填

札幌市立病院での非常用電源車への給油

北海道警察本部での荷下ろし


北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付掲載予定

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