災害時の輸送手順確立
道経産局と陸自が訓練
2017.8.5

JXTGエネ室蘭製造所でガソリンなどを積み込み
 北海道経済産業局と陸上自衛隊北部方面隊は25、26日、札幌直下型地震を想定した「災害時燃料供給合同支援訓練」を実施。JXTGエネルギー室蘭製造所での燃料油積み込み、札幌市内の災害時重点施設、中核SSへの荷卸しを通して課題を洗い出し、災害発生時における輸送手順の確立を目指した。訓練は今回で5回目となり、北石連なども全面協力した。

 平成23年3月に発生した東日本大震災では、石油製品の輸送・給油が困難となった地域が数多く出現。そうした中で資源エネルギー庁から要請を受けた自衛隊がドラム缶に詰めた軽油などを被災地に搬送し、供給を支援したが、その際、調整すべき様々な課題が浮き彫りになった。

 さらに石油供給インフラの被災が、自衛隊の人命救助活動に必要な燃料の確保に影響を与える可能性が改めて認識されたこともあり、資源エネルギー庁と防衛省では、災害発生時における燃料供給ノウハウのさらなる拡充に向け、全国各地で合同訓練を実施している。

 道内でのそうした訓練は、北部方面隊が一昨年8月に展開した災害対応演習「ノーザンレスキュー2015」に合わせて行ったのが最初。それ以降、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の発生を想定し、昨年夏に稚内から釧路まで、秋に北斗から早来まで、さらには今年2月にも稚内から釧路・帯広までガソリンなどを輸送する合同訓練を実施しており、今回が5回目となる。

 札幌直下型地震の発生を想定した今回の合同訓練では初日、JXTGエネルギー室蘭製造所で給油口の口径などを確認しながら、第7後方支援連隊の6kl燃料タンク車3台と肉厚200㍑ドラム缶にガソリンや軽油、灯油を給油。ドラム缶をトラックに積み込む際にはフォークリフトが使えない場合を想定し、人力による積み込みも試した。

 翌2日目には、災害時重点施設である札幌市消防学校の地下タンクに室蘭から運んだガソリンと軽油、施設内のホームタンクに灯油を、また、中核SSの札幌河辺石油札幌インターSSの地下タンクにガソリンをそれぞれ荷卸しした。

 2日間にわたり訓練に立ち会った道経産局資源エネルギー環境部の八木雅浩部長は「訓練は課題を克服する良いチャンスであり、災害対策上、極めて重要。今後も機会をとらえて実施していきたい」と話している。


ドラム缶による灯油などの輸送も

人力による積み込みも試した

札幌市消防学校で荷卸し

札幌河辺石油札幌インターSSで荷卸し


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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