震災想定し燃油輸送訓練
道経産局と陸自が連携
2016.9.10

JXエネルギー稚内油槽所で積み込み作業
 北海道経済産業局と陸上自衛隊北部方面隊は8月30日から今月1日までの3日間、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の発生を想定した燃料油「輸送訓練」を実施。JXエネルギー稚内油槽所から釧路市、釧路町内の中核SSまで自衛隊の燃料タンク車による輸送のほか、道内初となるドラム缶でのトラック輸送も行い、課題の洗い出しなどを進めた。期間中の道内は、台風10号の接近に伴う大雨と強風の影響で幹線道路の多くが寸断され、予期せぬ災害発生時での訓練となった。

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災時には、石油製品の輸送・給油が困難となった地域が数多く出現。資源エネルギー庁から要請を受けた自衛隊が、ドラム缶に詰めた軽油などを被災地に搬送し、供給を支援したが、その際、様々な課題が浮き彫りとなった。

 また、石油供給インフラの被災が、自衛隊の人命救助活動に必要な燃料確保に影響を与える可能性も改めて認識されたことから、資源エネルギー庁と防衛省では、災害発生時における燃料供給ノウハウのさらなる積み上げ、拡充を図るため、全国各地で合同の燃料油輸送訓練を実施している。

 道内での燃料油輸送訓練は、北部方面隊が昨年8月に展開した災害対応演習「ノーザンレスキュー2015」に合わせて行ったのが最初。

 この時は出光興産北海道製油所から札幌市内の札幌アポロ石油南5条SSまで、また、JXエネルギー留萌油槽所から旭川市内の陸自北海道補給処近文台燃料支処までガソリンと軽油を輸送(実際はカラ)した。

 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の発生を想定して行った今回の燃料油輸送訓練は、稚内から釧路まで輸送距離を大幅に延長。さらに自衛隊の燃料タンク車による輸送に加え、道内初のドラム缶によるトラック輸送も行って、課題の洗い出しなどを進めた。

 初日の8月30日、JXエネルギー稚内油槽所で給油口の口径などを確認しながら、6kl燃料タンク車にガソリン、肉厚200㍑ドラム缶10本に灯油、5本に軽油を積み込み(実際はカラ)、翌31日早朝に稚内を出発。12時間ほどかけて同日夜に釧路に到着し、今月1日に中核SSである釧路町内の北日本石油フリーパークバイパスSS、釧路市内の北海シェル石油釧路新橋SS、三ッ輪商会Dr・Drive西港店で荷卸しした。

 期間中の道内は、台風10号の接近に伴う大雨と強風の影響で、国道を含む幹線道路の多くが寸断されるなどし、予期せぬ災害発生時での訓練となった。

 道経産局と北部方面隊では今後、10月に出光興産函館油槽所から陸自北海道補給処早来燃料支処までの輸送訓練、さらには来年2月に、今回とほぼ同様のコースで冬場の輸送訓練を行う予定。


北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付掲載予定

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