浮沈をかけ「春商戦」
収益確保が最優先課題
2019.4.20

意匠を凝らしたディスプレイで油外の増販を図る
 冬が開けタイヤ交換とともに本格化する本道の春商戦。燃料油をめぐる収益環境の改善を追い風に、各SSでは生き残りへの鍵ともされる油外の増販に秘策を練る。この時期、コーティングやタイヤ、車検に注力するSSが多いようだが、果たすべきは、何と言っても再投資を可能とする収益の確保。持てる力を結集した取り組みが不可欠となっている。

 依然として厳しい環境が続く業界には「今や商戦に春も夏もない。毎日が勝負だ」といった声もなくはないが、季節の変わり目は、どのような業種であれ一種の商機。特に春は、雪に閉ざされた冬からの解放感で「財布の紐が緩む」とも言われており、この期を活かした1歩ならず2歩、3歩の前進が求められる。

 業界は、タイヤ交換の始まりとともに、春商戦本番を迎えた。ガソリンなど燃料油は需要こそ減退しているものの、需給の引き締まりから収益環境は改善していると言われ、これを追い風に、各SSでは生き残りへの鍵ともされる油外の増販にそれぞれ秘策を練る。

 札幌市内で複数のSSを運営する特約店経営者が「そのうちの1店舗はコーティングに特化した運営を目指す」と話すように、この時期、コーティングや、さらにはタイヤ、車検を柱とし、独自の付加価値化で増販を図る動きが顕著。トレンドとなりつつある軽板金や車内清掃なども顔を出すが、果たすべきは、何と言っても再投資可能な収益の確保だ。

 今月から施行された働き方改革関連法に打開策が見つからない人手不足が追い打ちをかけ、顧客ニーズへの十分な対応に制約が出てくることが考えられ、また、カーディーラーや部用品店などとの戦いは、これまで以上に熾烈を極めることが予想されることから、持てる力を結集し、自店の強みを存分に活かした取り組みが不可欠となる。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

05月10日付ヘッドライン

■ガソリンは年平均2・6%減 24~28年度石油製品需要見通し
■期待外れも「そこそこ」 GW商戦
■北広島でシェアサイクル 道エネが6カ所に自転車100台配置
■2年連続の前年割れ 5年度の国内燃料油販売
■油外全般好調に推移 悩みは人手不足 ナラサキ石油白石SS