◎…超大型となった１０連休明け、世の中には５月病が蔓延しているという。石油業界も決して例外ではないようだ。 「人手不足の中で、貴重な戦力として確保した４月入社の新入社員を販売最前線のＳＳに配置した１０連休商戦。連休明け後、新入社員が突如、退職したいと申し出たと店長から報告があった。慰留しているものの退職の意志が強くてどうにもならないという状況だ」と話す特約店幹部。

　◎…「１０連休中のＳＳにはレジャーで来店する給油客が多く、店頭スタッフは作業に追われる自分の姿とのギャップを感じたことも誘因材料のひとつになっているのではないか」と分析するものの「改めて社員・従業員満足度のアップに取り組まなければならないことを痛感した」とも語る。

　◎…今年の連休商戦についての総括、検証は欠かせないが、ガソリン販売、カーメンテ収益が計画どおりになったのかどうか。思惑倒れになったところでは、その原因究明、その上での対応が求められる。同時にＳＳ店頭で働くスタッフの従業員満足の度合いについても十分な検証が欠かせない。 「顧客満足＋従業員満足」が今後のＳＳ経営戦略に欠かせない、ということがＳＳ経営の柱だと肝に銘じる関係者は決して少なくない。

　◎…気配り、目配り、手配りの「３配り」が必要なのは来店する給油客だけに限ったものではない、と強調する特約店幹部。 「どうしたら給油客、そして従業員が満足するのかということを考えるのが特約店幹部の使命だ」といった声も聞かれる。ＳＳ業界における５月病の処方箋は、 「従業員に寄り添った会社づくり」がキーワードになっていくようだ。

　◎…一方で気になるのがＳＳ数の行方だ。資源エネルギー庁は今年３月末時点の登録数を近く発表する予定。昨年３月末時点では全国で３万カ所を維持したが、その後１年を経過し、果たしてＳＳ所数の減少に歯止めがかかるのかどうか。業界関係者の関心が集まっている。