広がるか外国人雇用
「ベトナムで人材確保」
2019.7.30

外国人雇用に関心のある企業 などから100人余が参加した
 深刻の度を増す人手不足。SS運営などにも支障が出始めている中で、石油業界でも外国人の雇用がにわかに注目を集めつつある。現在、在留資格が認められる特定技能14分野にSS業務は含まれないが、日本語教育の徹底などで可能性は十分。そうした中、ベトナムに現地法人を立ち上げ人材サービスを展開するJXTG系中和石油(札幌、杉澤謙次郎社長)は18日、札幌で「外国人人材セミナー」を開催し、雇用の現状や見通しなどを紹介した。

 外国人の雇用については、全石連政策・環境部会が実施したアンケート調査でも23・7%が「必要」だと、また、34・2%が「現時点では必要ないが、将来は必要」だとしており、6割近くが関心を示していることが明らかになっている。

 給油や洗車などのSS業務は在留資格が認められる特定技能14分野には含まれないが、特定技能となっている自動車整備分野では、中和石油フリーウェイ西宮の沢で外国人の整備主任者が初めて誕生したこともあり、深刻さを増す人手不足を背景に、道内石油業界でも外国人の雇用がにわかに注目を集め始めた。

 そうした中、ベトナムに現地法人を立ち上げ人材サービスを展開する中和石油が18日、企業関係者ら100人余りを集め今年2回目となる外国人人材セミナー「北海道における外国人人材の現状と今後」を開催した。

 中ではビーエイの又野直也氏が「技能実習生と特定技能の仕組み」を解説するとともに、杉澤社長が「サービス業における外国人雇用の実例」を紹介。さらに中和石油ベトナム現地法人の坂本俊一社長が「Asia Human Gateway Project」などに触れた。

 杉澤社長は、中和グループでの外国人雇用にかかわり、仏教国で倫理観や道徳観などが日本と近いベトナムに照準を合わせていることや、雇用に当たっては日本語の研修に最も力を入れていることなどを紹介し、1年先を考えた募集活動、3人程度の複数採用などをアドバイス。

 また、坂本社長は、日本語センター開校などローカルカンパニー・AHGVの取り組みにも言及しながら、外国人の雇用には「現地での情報収集や対策の継続が重要」だとして自社の使命を強調するなど、ともに外国人雇用がますます拡充していくことを示唆、側面からの支援を約束した

講演する杉澤社長


北海道のガソリン価格予想
5月12日(月)から5月18日(日)まで
価格上昇
値戻しの機運高まる

05月20日付掲載予定

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